幾何公差は、長方形の枠(「公差記入枠」という)の中に、左から右へ順に記入します。必ず図面を見る向き(水平方向)を基準として配置しなければいけません。矢の引き出し線は、基本的に公差記入枠から水平に引き出した後で直角に折りますが、示す形体が斜面の場合や、穴を正面から見た図形で寸法引き出し線と兼ねて引き出す場合は、直角でなくても構いません。
幾何公差の意図を表すためには、前回のデータムと同様に公差指示線の配置位置により指示領域が異なることを理解してください。
ここでは、以前は使用できたものの、いまはJISの改正によって使用できない図示方法を挙げます。
公差を軸線または共通線、若しくは共通中心平面の形体に適用したとき、このような形体に直接矢を当ててはいけません(図5)。
データム形体と公差記入枠を直接結んではいけません(図6)。
次回は4つに分類される幾何特性のうち“カタチ”を制御する形状公差です。形状公差の特徴は、今回解説したデータムを不要とすることが特徴です。なぜデータムが不要なのか頭の中で十分に理解してください。(次回に続く)
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