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ポリカーボネート樹脂の生産体制を増強、シートやフィルムを年間1350t製造:工場ニュース
帝人は、ポリカーボネート樹脂「パンライト」の生産体制を増強する。愛媛県松山市の松山事業所内に新しい生産ラインを構築し、シートやフィルムを年間1350トン製造する。
帝人は2024年6月10日、ポリカーボネート(PC)樹脂「パンライト」の生産体制を増強すると発表した。愛媛県松山市の松山事業所内に新しい生産ラインを構築し、同月17日から稼働を開始した。
耐衝撃性や透明性に優れるPC樹脂は、光学機器に使用され、タッチパネルやヘッドアップディスプレイなど車載機器用途の需要が伸びている。
新たな生産ラインでは、厚み100ミクロンから500ミクロンのシートやフィルムを、年間1350トン(t)製造可能だ。製造工程で生じる微細な歪みなどを抑制して平滑性を高め、従来品に比べて表面硬度が向上している。複雑な形状にも加工が容易で、意匠性や画質への寄与が期待される。
同社は今後、自動車業界に加え、VR(仮想現実)やAR(拡張現実)など先端機器向けにも用途を広げる。2027年度には、年間25億円の売上高を目指すとしている。
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