三菱ケミカルグループは、ポリカーボネート樹脂のケミカルリサイクルの事業化に向け、東京海上日動火災保険およびABTと共同で、使用済み自動車のヘッドランプからポリカーボネート樹脂を回収するためのスキームについて、同月から関東地区で実証実験を開始すると発表した。
三菱ケミカルグループは2024年1月26日、ポリカーボネート(PC)樹脂のケミカルリサイクルの事業化に向け、東京海上日動火災保険およびABTと共同で、使用済み自動車のヘッドランプからポリカーボネート樹脂を回収するためのスキームについて、同月から関東地区で実証実験を開始すると発表した。なお、PC樹脂ケミカルリサイクルの事業化は世界初だという。
上記の3社は、2023年2月から国内初の取り組みとして、東京海上日動およびABTが持つ使用済み自動車処理のネットワークを活用し、テールランプなどのアクリル樹脂を回収する実証実験を行っている。
今回は、テールランプよりも回収が困難なヘッドランプについても、2024年1月から関東地区で回収の実証実験を開始する。今後は、実証実験で得られたオペレーション、素材の品質、コストなどの検証結果をもとに、順次全国へ検証エリアの拡大を目指していく。
なお、同社グループでは、三菱ケミカル九州事業所(福岡県北九州市)にPC樹脂のケミカルリサイクル実証設備を2023年9月に完成し、10月より市場から回収された使用済みPC樹脂のリサイクル実証を開始した。
同実証事業は、環境省の「令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」の補助事業として採択されている。
加えて、より高品質なリサイクルPC樹脂を再生することができるケミカルリサイクル技術の確立だけではなく、リサイクルシステムの構築も目指している。そのため、PC樹脂を製品に使用する企業などとの連携や、多方面の市場から回収するスキームの検討を行い、PC樹脂リサイクルシステムの社会実装に向けた準備を進めている。
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