三菱ケミカルグループは、ポリカーボネート樹脂のケミカルリサイクルの事業化に向け、検討を開始した。2023年度中に実証実験を完了し、2030年に年間1万t規模の処理能力を持つことを目標としている。
三菱ケミカルグループは2023年3月15日、ポリカーボネート樹脂(PC樹脂)のケミカルリサイクルを事業化するための検討を開始したと発表した。2030年に年間1万t(トン)規模のケミカルリサイクル能力を持つことを目標として掲げている。
三菱ケミカルは、不純物や劣化部を含む低品質の廃PCを解重合して原料モノマーに戻し、高品質のPC樹脂に再生するケミカルリサイクルプロセスの実証実験を進めている。福岡事業所に建設中の実証設備は同年8月に完成する見込みで、同年度中に実証実験を完了した後、具体的な事業化を検討する。
使用済みPC樹脂のリサイクルは、粉砕や溶融後に成形し直すマテリアルリサイクルによる方法が一般的だが、より広い範囲で高品質なリサイクルPC樹脂を再生できるようなシステムの構築に取り組む。また、PC樹脂を使用する製造企業などとも連携していく。
なお、同グループの実証実験は、環境省の「令和4年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金 脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」の補助事業として採択されている。
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