ニュース
廃棄されるコットン素材を再利用したバイオマスプラスチックペレットを開発:リサイクルニュース
シキボウは、廃棄されるコットン素材を再利用したバイオマスプラスチックペレットを開発した。物性が向上し、成型品の強度や耐久性を高められる他、薄肉化による樹脂の使用量削減や軽量化が期待できる。
シキボウは2024年5月20日、コットン素材を再利用したバイオマスプラスチックペレット「CottResin(コットレジン)」を開発したと発表した。自動車部品や電化製品、建材など幅広い用途を見込んでおり、2027年に3億円の販売目標を設定している。
CottResinは、廃棄されるコットン素材をミクロサイズまで細分化し、ポリプロピレン樹脂と混ぜてペレット化したものだ。コットン由来のリサイクルセルロースナノファイバーを添加することで物性が向上し、成型品の強度や耐久性を高められる他、薄肉化により樹脂の使用量削減や軽量化が期待できる。
国内の繊維製品の廃棄量は、年間約73万トン(t)に達している。アパレルおよび繊維産業では、大量生産、大量消費、大量廃棄が常態化しており、地球環境に与える負荷の大きさから、国連貿易開発会議(UNCTAD)が「世界で第2位の汚染産業」と見なしている。
また、プラスチック業界でも脱炭素化の取り組みは進められているが、ケミカルリサイクルは環境負荷が大きく、バイオマス化は海外メーカーに強く依存していることや食料資源との競合が懸念されている。
CottResinは、原料にバイオマスを使用した商品に付与される認証「バイオマスマーク」を取得済みだ。同社は今後、事業化に向けた技術の確立に取り組む。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 使用済みキッチンスポンジのリサイクルを加速するプログラムとは?
3Mの日本法人であるスリーエム ジャパンとテラサイクルの日本法人であるテラサイクルジャパンは、「スコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラム」を通して国内で使用済みキッチンスポンジのリサイクルを推進している。 - SMFLがリチウムイオン電池リサイクル事業の共同開発で協業
三井住友ファイナンス&リースは、同社グループのSMFLレンタルやシンガポールのTES-AMMとともに、湿式精錬技術を用いたリチウムイオン電池リサイクル事業をグローバルに共同展開する目的で、LIBリサイクル事業の共同開発に関する覚書を締結し、事業化の検討を開始したと発表した。 - 印刷済みOPPフィルムを水平リサイクルする実証実験を開始
凸版印刷、三井化学東セロ、三井化学の3社は、印刷済みOPPフィルムを再び軟包材OPPフィルムに水平リサイクルする共同実証実験を開始した。 - イオンで不要な衣類を回収しリサイクルする事業がスタート
チクマはイオンリテールと連携し、不要な衣類を回収、リサイクルして新たな衣類や資源として再生する取り組みを実施する。衣類のサーキュラーエコノミーを進めることで、廃棄物削減に貢献する。 - リチウムイオン電池の基礎知識とリサイクルが必要なワケ
本連載では東北大学大学院 工学研究科附属 超臨界溶媒工学研究センターに属する研究グループが開発を進める「リチウムイオン電池リサイクル技術の水熱有機酸浸出プロセス」を紹介する。第1回ではリチウムイオン電池の基礎知識やリサイクルが必要な背景、当研究グループの取り組みの一部を取り上げる。 - リサイクル工程のみで剥がれ個別デザインに対応するPETボトル印刷技術を開発
キリンホールディングスのパッケージイノベーション研究所は、リサイクルに対応する技術としてPETボトルに直接印刷できる「PETボトル ダイレクト印刷技術」を開発し、PETボトルリサイクル推進協議会に申請したと発表した。