使用済みキッチンスポンジのリサイクルを加速するプログラムとは?リサイクルニュース

3Mの日本法人であるスリーエム ジャパンとテラサイクルの日本法人であるテラサイクルジャパンは、「スコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラム」を通して国内で使用済みキッチンスポンジのリサイクルを推進している。

» 2024年05月29日 10時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 スリーエム ジャパンとテラサイクルジャパンは2024年5月28日、東京都内で記者説明会を開催し、両社が共同で実施している「スコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラム」について紹介した。

使用済みキッチンスポンジの回収拠点は国内に175カ所

 2019年7月にスタートしたスコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラムは、使用済みのキッチンスポンジ(ブランド/メーカー問わず)やキッチンスポンジの包装プラスチックパッケージを回収/リサイクルする事業だ。

 スコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラムの利用方法は2つある。1つ目は、利用者が、テラサイクルのホームページ(HP)へアクセスしアカウント登録をした後、このHPの回収依頼ボタンをクリックすると、2営業日以内に佐川急便が使用済みのキッチンスポンジおよび包装プラスチックパッケージを集荷する。2つ目は、利用者が、汚れを洗い落とし、乾かした使用済みのキッチンスポンジと包装プラスチックパッケージを回収箱に入れることで回収される。

スコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラムの概要 スコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラムの概要[クリックで拡大] 出所:スリーエム ジャパン

 回収箱が設置された回収拠点は国内に175カ所あり、カインズ、ABCクッキングスタジオ、スギ薬局、銀座ロフトなどに回収箱が設置されており回収拠点として機能している。回収拠点について一例を挙げると、岩手県矢巾町役場がある。岩手県矢巾町役場では2020年3月からスコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラムに参加し、2024年4月時点で計9回の使用済みキッチンスポンジ回収実績を持つ。

スコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラムの回収拠点 スコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラムの回収拠点[クリックで拡大] 出所:スリーエム ジャパン

 いずれの方法も使用済みキッチンスポンジおよび包装プラスチックパッケージの量が2kg以上で回収に応じている。2kgの量とは約200個の使用済みキッチンスポンジだという。

 なお、スコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラムの利用者は、使用済みキッチンスポンジおよび包装プラスチックパッケージの回収量に応じてテラサイクルポイントを取得できる。テラサイクルポイントは1ポイント当たり1円に相当し、2kgの量の使用済みスポンジを回収に出すことで250テラサイクルポイントが得られる。このポイントはテラサイクル製品と交換や慈善団体への寄付に使える。

スリーエム ジャパン コンシューマービジネスグループ プロダクトマーケティング部 マネジャーの仲井智亮氏 スリーエム ジャパン コンシューマービジネスグループ プロダクトマーケティング部 マネジャーの仲井智亮氏

 スリーエム ジャパン コンシューマービジネスグループ プロダクトマーケティング部 マネジャーの仲井智亮氏は「当社では、マテリアルリサイクルを通じたプラスチック資源の循環や、水資源、包装、廃棄物の循環性を高めることが必要だと考えていた。そこで、テラサイクルとタッグを組み、スコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラムを導入した」と話す。

 今後、両社は、スコッチ・ブライト スポンジ リサイクルプログラムを通じて、利用者の行動変容を促し、循環型経済の推進に貢献する。具体的には、学校、公共団体、自治体など、多くの一般消費者が参加しやすい場所に回収箱を設置する他、SNSを通じて定期的な情報発信を行い、使用済みキッチンスポンジのリサイクルを促す。

 加えて、スリーエム ジャパンでは、リサイクル素材や植物由来の素材を使用したキッチンスポンジ「スコッチ・ブライト グリーナークリーンシリーズ」の販売に注力する。

「スコッチ・ブライト グリーナークリーンシリーズ」の概要 「スコッチ・ブライト グリーナークリーンシリーズ」の概要[クリックで拡大] 出所:スリーエム ジャパン
フォトセッション。左から、テラサイクルジャパン 代表 アジア太平洋統括責任者のエリック・カワバタ氏、回収箱、スリーエム ジャパンの仲井氏 フォトセッション。左から、テラサイクルジャパン 代表 アジア太平洋統括責任者のエリック・カワバタ氏、回収箱、スリーエム ジャパンの仲井氏[クリックで拡大]

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