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北海道に「国内最大」の屋内氷盤旋回試験場、試験データの精度を向上:製造マネジメントニュース
横浜ゴムは「北海道タイヤテストセンター」に冬用タイヤの氷上旋回性能をテストする屋内氷盤旋回試験場を開設した。
横浜ゴムは2023年2月7日、「北海道タイヤテストセンター」(北海道旭川市)に冬用タイヤの氷上旋回性能をテストする屋内氷盤旋回試験場を開設したと発表した。氷盤旋回の屋内試験施設としては「国内最大」(横浜ゴム)だとしている。
屋内氷盤旋回試験場は、凍結路面で制動性能の次に重視される旋回性能の向上のために開設した。屋外と比べて天候や気温などの外的要因の影響を受けにくく、氷上の状態を安定的に保つことが可能で、試験データの精度が向上する他、より高度な技術開発を効率的に実施できる。
屋内氷盤旋回試験場の建物寸法は全長56×全幅56m、室内高が最後部で12.3m、氷盤面積は1960m2となる。旋回半径10〜22mまで試験が可能だ。
横浜ゴムは冬用タイヤ向けに2018年1月に屋内氷盤試験場を開設、さらに2020年11月に同施設に氷の表面温度を−10〜0℃までコントロールできる国内最大級の冷媒装置を設置した。今回完成した旋回試験場は屋内氷盤試験場に隣接しており、両施設での試験を効率的に組み合わせて、さらに高い安全性の冬用タイヤ開発を加速させる。
北海道タイヤテストセンターには時速100km以上での高速試験が可能な約1kmの直線圧雪路を含む全長2.3kmの周回路の他、氷盤路、雪上/氷上登坂路、雪上/氷上旋回路、勾配5%で全長1.1kmの圧雪ハンドリング路がある。
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