自社拠点で再エネの循環型システムを実証、超軽量太陽光パネルを設置脱炭素(1/2 ページ)

OKIクロステックは再生可能エネルギーの循環型システムの実証を開始したと発表した。同社拠点であるリペアセンターに太陽光発電やEVの充電設備、蓄電池を導入した。

» 2025年02月19日 07時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 OKIクロステックは2025年2月18日、再生可能エネルギーの循環型システムの実証を開始したと発表した。同社拠点であるリペアセンター(埼玉県鴻巣市)に太陽光発電やEV(電気自動車)の充電設備、蓄電池を同月に導入した。余剰電力を蓄電したり、EVの充電に充てたりするエネルギーマネジメントシステムは自社で構築する。この環境で、太陽光発電で拠点の消費電力の4割を賄う。

 この実証によって自社の再エネ活用を推進してカーボンニュートラルを目指すだけでなく、異なるメーカーの設備を組み合わせるマルチベンダー環境での再エネシステム構築力を高め、再エネ関連の施工技術や運用ノウハウも蓄積する。2030年までに、GX(グリーントランスフォーメーション)関連で累計200億円の売り上げを目指す。

リペアセンターに導入したソリューションのコンセプト[クリックで拡大] 出所:OKIクロステック

OKIクロステックのGXの取り組み

 OKIクロステックはICTインフラや電気設備、消防施設、電気通信設備の設置や施工、保守などを手掛ける。2022年からはGXのソリューションに取り組んでいる。2022年は東京電力コンソーシアムに参画するとともに、オンサイトPPAモデル(OKIクロステックが設置費用を負担し、発電量に応じて設置先からサービス料をもらうモデル)の太陽光発電サービスを開始した。EVの充電器に関しては、パナソニックやダイヘンと提携して保守サービスを提供している。

OKIクロステックのGXの取り組み[クリックで拡大] 出所:OKIクロステック

 こうしたGXソリューションに力を入れる一環で、再エネの循環型システムの実証を開始した。再エネによる発電、蓄電、利用まで連携したモデルを構築する。埼玉県鴻巣市のリペアセンターには、出力270kWの太陽光パネルを設置した。建屋の屋上だけでなく、外壁やひさしにも設置する。ガラスに相当する部分が樹脂でコーティングされた、軽量でフレキシブルな太陽光パネルのモジュールを採用することで、設置枚数を増やした。EVの普通充電器は2基、建屋に放電できる充放電器は1基設置する。リペアセンターへの設備投資額は1億円弱だとしている。

年間消費電力の4割を再エネの自家消費でカバーする[クリックで拡大] 出所:OKIクロステック
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