アトラックラボは、MCP対応の大規模言語モデルをロボットの頭脳として使う自律制御システムを開発した。同モデルが音声やテキストでの指示から状況認識、自律移動、安全停止までを判断し、ロボットの動作に変換する。
アトラックラボは2026年7月23日、大規模言語モデル(LLM)をロボットの頭脳として使う自律制御システム「AT-SYNAPSE」を開発したと発表した。MCP(Model Context Protocol)接続に対応したLLMエージェントであれば、ClaudeやChatGPT、Geminiなど種類を問わず利用できる。
用途や運用環境に応じてLLMを選べるため、特定のAI(人工知能)サービスに依存しないシステム構成が可能になる。指示の入力手段は、ウェイクワードに続けて話しかける音声コマンドと、デスクトップアプリケーションから打ち込むテキストコマンドの2通り。利用者が自然な言葉で与えた指示の意図をLLMが解釈し、適切な行動へ変換する。
ロボットの動作は、6つの基本ツールをLLMが組み合わせて判断する。6ツールのうち、「Vision」は、カメラ映像から物体や周囲の状況を認識して説明する。「Speech」は音声で応答や対話ができ、「Face」は思考中であることや喜び、困惑といった状態を表情で示す。
「Motion」は基本移動(前進、後退、その場旋回、停止など)を、「Navigation」は目的地までの経路計画と自律移動を担う。「Safety」は3D LiDARやカメラで障害物を検知して安全にロボットを停止させる。
また、バッテリー電圧や左右の車輪の回転数、障害物までの距離と方向をリアルタイムで監視する。専用のWebコンソール「AT-SYNAPSE Robot Console」は、カメラ映像や各種センサー情報のほか、ロボットが何を認識し、なぜその行動を選んだのかというLLMの推論過程も表示するため、開発や検証、保守時のデバッグや動作解析に活用できる。
安全面では、3D LiDARやカメラが前方の障害物を検知した際にロボットが自動で走行を止める。判断に迷う状況ではLLMが利用者に確認を求め、明確な許可が出されるまでは危険を伴う動作に移らない設計とした。
さらに、ベースとなるシステムにROS 2を用いたオープンなアーキテクチャを採用しており、受付や案内、巡回、自律搬送、研究開発などさまざまな用途のロボットに適用できる。同社は今後、AT-SYNAPSEをドローン、無人車両、無人船舶へと展開し、クラウドやエッジAI、ロボット制御を統合した基盤として機能強化を図る。
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