見ても触っても気付かない極薄電極! 自然な状態で脳波などを計測医療技術ニュース

東京大学 生産技術研究所は、顔に貼っても見えず、触っても認識できない「ステルス皮膚電極」を開発した。極薄の伸縮性電子材料を使用し、見た目の違和感や心理的な負担をなくして自然な状態で生体信号を測定できる。

» 2026年08月05日 15時00分 公開
[MONOist]

 東京大学 生産技術研究所は2026年7月16日、顔に貼っても見えず、触っても認識できない「ステルス皮膚電極」を開発したと発表した。極薄の伸縮性電子材料を使用し、見た目の違和感や心理的な負担をなくして自然な状態で生体信号を測定できる。慶應義塾大学、ソウル大学校、芝浦工業大学らとの共同研究による成果だ。

キャプション 見ても触っても分からないステルス皮膚電極[クリックで拡大] 出所:東京大学 生産技術研究所

 ステルス皮膚電極は、酸化チタンナノ粒子を含む約200nm厚のゴム薄膜からなる光学調整層と、透明で導電性を持つ銀ナノワイヤ電極層で構成。従来の透明フィルムは表面が滑らかで皮膚上でテカリが生じていたが、同電極は皮膚に近い光の反射と触感になった。

キャプション ステルス性発現のメカニズム 出所:東京大学 生産技術研究所

 顔に貼付して検証したところ、装着者本人と周囲の観察者の双方とも視覚的、触覚的に電極を認識できないことを確認した。従来のゲル電極は自分の装着写真を見ると脳波応答や心理状態が変化したが、同電極では変化はなかった。

キャプション 従来フィルムとステルス皮膚電極の比較 出所:東京大学 生産技術研究所

 また、同電極を用いて、眼電図や筋電図、脳波のアルファ波の測定に成功した。これらの信号を同時取得するには多数の電極を貼る必要があるが、同電極はほとんど見た目が変わらなかった。特に眼球運動の計測では、市販ゲル電極と同等の信号対雑音比を確保しており、歩行や会話を伴う12時間の日常的な動作中も安定して計測できた。

キャプション 顔面に多数電極を配置する様子(左:従来のゲル電極、右:ステルス皮膚電極) 出所:東京大学 生産技術研究所

 将来的には、自然な状態で眼球運動、表情筋、脳波などを読み取ることで、心理状態や認知状態の理解、ヘルスケア、スマートフォン、AR/VR機器などの新しい操作方法への応用が期待される。

⇒その他の「医療技術ニュース」の記事はこちら

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

特別協賛PR
スポンサーからのお知らせPR
Pickup ContentsPR
Special SitePR
あなたにおすすめの記事PR