パナソニックの実装機はソリューション領域のど真ん中、サービスポータルが起点にFAニュース

パナソニック コネクトは、「JISSO PROTEC 2026(第27回実装プロセステクノロジー展)」において、表面実装機をネットワーク接続し最適なパラメーター管理や予兆保全などを可能にするクラウドベースのサービスポータル「GENTRUS HUB」を紹介した。

» 2026年06月16日 06時15分 公開
[朴尚洙MONOist]

 パナソニック コネクトは、「JISSO PROTEC 2026(第27回実装プロセステクノロジー展)」(2026年6月10〜12日、東京ビッグサイト)において、表面実装機をネットワーク接続し最適なパラメーター管理や予兆保全などを可能にするクラウドベースのサービスポータル「GENTRUS HUB」を紹介した。現在、先行顧客とPoC(概念実証)を実証している段階で、早ければ2026年内に正式にサービス提供を開始したい考えだ。

パナソニック コネクトの高橋良太朗氏と表面実装機の最新モデル「NPM-GWシリーズ」 パナソニック コネクトの高橋良太朗氏と表面実装機の最新モデル「NPM-GWシリーズ」[クリックで拡大]

 表面実装機大手の同社は、労働人口減少やサプライチェーン再編などの環境変化があっても、顧客価値に位置付ける「計画通りの良品生産」の実現を可能にする「Autonomous Factory」をビジョンに掲げている。同社 回路形成プロセス事業部 執行役員VP 事業部長の高(正しい漢字ははしご高)橋良太朗氏は「計画通りの良品生産を実現するには、止めない、止まってもすぐ直す、止まる前に対応するという3つの定義から成る『止まらないライン』が必要だ。これまでは、堅牢なハードウェアにくわえ、モノづくり4拠点、サービス/販売拠点160拠点のグローバルネットワークが強みになってきたが、今後はGENTRUS HUBの展開により、計画通りの良品生産の達成を目指す」と語る。

「計画通りの良品生産」を顧客価値に位置付け 「計画通りの良品生産」を顧客価値に位置付け[クリックで拡大] 出所:パナソニック コネクト

 GENTRUS HUBは、クラウドを経由して顧客接点とサービス提供の入り口となるサービスポータルである。ポータル閲覧用のクライアントPCと、実装ラインからデータを収集するゲートウェイPCをクラウドに接続して使用する。ゲートウェイPCは、実装ラインを構成する装置の他、統合ライン管理システム「iLNB」や生産データ作成システム「NPM-DGS」などと連携することも可能だ。「NPMシリーズ」以降の表面実装機であればイーサネット接続を介してGENTRUS HUBに接続できるという。

「GENTRUS HUB」のコンセプト 「GENTRUS HUB」のコンセプト[クリックで拡大] 出所:パナソニック コネクト
「GENTRUS HUB」の画面とネットワーク接続のイメージ 「GENTRUS HUB」の画面とネットワーク接続のイメージ[クリックで拡大] 出所:パナソニック コネクト

 GENTRUS HUBの機能は第1段階として、「資産管理」「パラメーター管理」「バックアップ」「問い合わせ」から提供を始める方針である。「資産管理」によって各設備の稼働状況を一目で確認できるようになり、「パラメーター管理」で各ラインにおけるパラメーター変更の確認やマスター値との比較からトラブルの原因究明をしやすくなるなどのメリットがある。「バックアップ」を使えばトラブル時の復旧も素早く行える。「問い合わせ」では、専用チャットによるやりとりでパナソニック コネクトのサポートに早急に連絡でき、対応の進捗状況の記録も可能で、ログとして残した解決内容を参照するのにも活用できるという。

 第2段階としては「パーツオーダー」「AIオペレーター」などのサービスを想定している。「パーツオーダー」では、Webサービスを介しての部品在庫検索や見積書の自動発行などが行える。「AIオペレーター」は、生成AI(人工知能)と専門データベースを基に構築した専用AIチャットへの問い合わせ機能で、回答の根拠となるドキュメントなども併せて提示する。

 第3段階となるのが「予兆保全」だ。高橋氏は「実装ラインからデータを収集/分析することで、計画通りの良品生産を妨げる故障や不具合などの予兆を検知できる。早ければ2027年内にはサービスを開始できるようにしたい」と述べる。

 第4段階は、良品生産のさらなる向上を提案するコンサルティングサービスの提供である。「現在のサポートスタッフを、GENTRUS HUBなどのデータを分析し、顧客が気付かないところまでカバーしてより良い良品生産を提案できるような人材である『O&Mコーディネーター』として育成しているところだ。AIの活用も組み合わせていきたい」(高橋氏)という。

 なお、パナソニックグループは成長戦略としてソリューション領域に注力する方針を示しており、パナソニック コネクトはその1社となっている。ソリューション領域では、市場に流通しているハードウェアの累積設置台数を示す「MIF(Machines In the Field)」をベースに、販売/納入した後もサプライ製品やサービスなどを展開し、機器単体の売り切りではなくこれらを総合してビジネスを拡大する方針である。

 今回のGENTRUS HUBは、このソリューション領域の方針を反映したものだ。パナソニック コネクトの表面実装機は世界シェアトップクラスでありMIFとしての強みは大きい。高橋氏は「ソリューション領域で強化すべきど真ん中の製品と言ってもいいだろう。ハードウェアの強みは今後も磨き上げ続けるが、それを基に顧客価値である計画通りの良品生産につなげるソリューションでも貢献して行きたい」と述べている。

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