三菱電機が第5世代に当たるSiC-MOSFETを開発。新開発の独自トレンチ構造などにより、従来品から25%削減した「業界トップクラス」(同社)の低オン抵抗を実現したという。
三菱電機は2026年6月4日、第5世代に当たるSiC(シリコンカーバイド)-MOSFETを開発したと発表した。新開発の独自トレンチ構造などにより、従来品から25%削減した「業界トップクラス」(同社)の低オン抵抗を実現したという。EV(電気自動車)やPHEV(プラグインハイブリッド車)、HEV(ハイブリッド車)など電動車(xEV)のインバーターやeAxle向けに、同月下旬からサンプル提供を順次開始する。
第5世代SiC-MOSFETでは、絶縁膜をトレンチ内部に埋め込む「FSC(Flat Source Contact)構造」を新たに開発した。第4世代でも適用している斜め方向からのイオン注入技術との組み合わせにより、従来のトレンチ型構造よりもセル密度を高めて電流を流れやすくすることで業界トップクラスの低オン抵抗を実現した。これによって、車載バッテリーの搭載容量に制限があるxEVの走行距離の延伸や電費の改善につなげられる。
定格電圧1200Vの「WF0007Q-1200AA」のオン抵抗は6.8mΩ、同750Vの「WF0005Q-0750AA」のオン抵抗は4.7mΩ。これは、第4世代SiC-MOSFETの同一定格電圧品としきい値電圧をそろえた上でオン抵抗を比較した場合、約25%低減した値になっているという。
また、スイッチオフ時にMOSFETに内蔵されたダイオードが自動的に電流の逃げ道となる「ボディーダイオード通電」に起因する性能劣化を抑制することで、品質の安定性を向上した。これまで開発してきたプレーナー型やトレンチ型のSiC-MOSFET、SiC-SBD(ショットキーバリアダイオード)に関する20年以上の研究/製造実績で培った、SiC独自の工程管理や独自のゲート酸化膜製法などの製造プロセス技術を応用して、スイッチングのオン/オフ動作によって発生する電力損失やオン抵抗などの変動も抑制している。これらによって、長期間の使用でも安定した品質を実現し、xEV用インバーターやeAxleの耐久性を確保することで、xEVの性能維持に貢献できるとしている。
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