三菱電機は、EVや再生可能エネルギー用電源システム向けのトレンチ型SiC-MOSFETチップ4品種のサンプル提供を開始した。独自構造により、従来のプレーナー型と比べて電力損失を約50%低減し、低消費電力化に貢献する。
三菱電機は2026年1月21日、EV(電気自動車)や再生可能エネルギー用電源システム向けに、トレンチ型SiC-MOSFETチップ4品種のサンプル提供を開始した。サンプル価格は個別見積もりによる。
開発されたSiC-MOSFETチップは、同社がパワー半導体製造で培った微細化技術を応用したトレンチ型だ。従来のプレーナー型と比べてオン抵抗を低減する。
また、独自の斜め方向イオン注入方式の採用により、垂直方向からの注入と比較してスイッチング損失を抑制。これらにより、電力損失を約50%低減し、パワーエレクトロニクス機器の低消費電力化に寄与する。
品質面では、独自のゲート酸化膜製法をはじめとする製造プロセス技術の適用により、スイッチング動作の繰り返しに伴うオン抵抗の変動や電力損失の変化を抑制し、長期間使用時の安定性を確保している。
オン抵抗の異なる4品種をラインアップした。20mΩの「WF0020P0750AA」、40mΩの「WF0040P0750AA」、60mΩの「WF0060P0750AA」、80mΩの「WF0080P0750AA」で、いずれも表面電極ははんだ接合に、裏面電極ははんだ接合とAg焼結接合に対応する。EV用トラクションインバーターやオンボードチャージャーなど、多様な機器への組み込みが可能だ。
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