北里大学らは、シリコーン硬化用鉄触媒をシリコーンレジンを用いてカプセル化し、空気耐性を1万倍以上に向上させたカプセル化鉄触媒を発表した。このカプセル化鉄触媒を活用し、従来設備と環境下でのシリコーンTIM製造に成功した。
北里大学は2026年5月13日、シリコーン硬化用鉄触媒をシリコーンレジンを用いてカプセル化し、空気耐性を1万倍以上に向上させたカプセル化鉄触媒を発表した。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「官民による若手研究者発掘支援事業」の一環として、富士高分子工業と共同開発した。
NEDOでは、2014〜2021年度の事業で有機ケイ素機能性化学品製造プロセス技術の開発に取り組み、その一環としてシリコーン硬化用鉄触媒の技術開発を行ってきた。2026年1月には東京化成工業から「世界初のシリコーン硬化に適した触媒」として製品化しているが、実環境と量産スケールに適した長期保管安定性に課題があった。
今回、このシリコーン硬化用鉄触媒をシリコーンレジンを用いてカプセル化することで、空気耐性を劇的に向上させることに成功。カプセル化鉄触媒を室温で1年以上空気にさらしても、分解せずにシリコーンの製造能力(触媒性能)を維持することを実証した。従来は30分以上空気にさらすと触媒性能が失われていたが、実環境下での大量製造に求められる長期保管が可能になる。
また、カプセル化鉄触媒を活用し、従来の白金触媒用の製造設備と環境下でシリコーンTIM(Thermal Interface Material)製造の量産適性を検証。その結果、白金を使用した際と同等の性能を持つTIMが得られた。この成果から、鉄触媒への切り替えによる新たな設備投資が不要であること、実用化が進むことでレアメタルへの依存度低下と製造コストの低減が見込まれる。
富士高分子工業では、開発したシリコーンTIMのサンプル提供を開始する。両社は今後も連携し、カプセル化鉄触媒を用いた実証実験とカプセル化鉄触媒の製品化を進めるとしている。
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