高速通信機器やヒューマノイドの高周波ノイズ解消、極薄の電波吸収体材料技術

NOKグループのメクテックは、厚さ0.1mm未満の「フレキシブル電波吸収体」を開発した。独自のメタマテリアル技術とFPC製造技術を組み合わせ、薄型/軽量設計と高いノイズ吸収性能を実現している。

» 2026年07月23日 06時15分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 NOKのグループ会社であるメクテックは2026年7月21日、次世代の高速通信機器やヒューマノイドといった、今後需要の拡大が見込まれる分野の高周波ノイズ対策に向け、厚さ0.1mm未満の「フレキシブル電波吸収体」を開発したと発表した。

機器の狭小部や複雑な曲面に配置が可能

 現在、5G通信の普及や次世代通信技術の開発に伴い、高周波帯の電波利用が本格化している。電子機器の小型化や省スペース化が進む中、内部の限られたスペースにおいて確実にノイズ抑制を行う技術の必要性が一段と高まっている。

 そこでメクテックは、自社の高周波フレキシブルプリント基板(FPC)技術とメタマテリアル技術を組み合わせたフレキシブル電波吸収体を開発した。メタマテリアルとは、人工的に設計された微細な構造などを用いて、自然界にある物質を超える機能を示す物質のことである。フレキシブル電波吸収体では、シートの表面に細かい「模様(パターン)」を精密に並べることで、特定周波数の電波だけを吸収できるようにしている。

「フレキシブル電波吸収体」 「フレキシブル電波吸収体」[クリックで拡大] 出所:メクテック

 同製品は、FPCの製造技術を応用することで、厚さは数十〜数百μm、1m2当たりの重さで数十〜数百gという薄型/軽量設計を実現している他、機器の狭小部や複雑な曲面に配置が可能だ。FPCと同等の耐熱性も有している。表面に微細な模様を施す独自のメタマテリアル技術を採用しており、5G通信やヒューマノイドなどで利用される大容量/高速通信向けの電波(ミリ波帯)を中心に狙った周波数を吸収できる。

 なお、メタマテリアル研究革新拠点「Meta-RIC」への参画を通じて構築した実測/評価手法を用いた自社検証において、その代表的な周波数である28GHz帯で99%以上の高いノイズ吸収性能を確認した。

 これらの利点により、電子機器のさらなる小型化/軽量化と安定した高速通信の両立を後押しし、次世代モビリティやスマートデバイスの発展に貢献するという。

 こうした利点を踏まえて、今後は、需要が見込まれる次世代の高速通信機器(5Gミリ波/6G)、次世代基地局(HAPSなどNTN)、航空/宇宙領域(通信衛星など)、自動車、次世代モビリティ、ヒューマノイド、次世代ロボティクス、ウェアラブル端末を対象に同製品を展開する考えだ。

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