マイコンでAIに振り切った展示を行ったのがヌヴォトン テクノロジー ジャパンだ。
。AIアクセラレータを搭載しない、既に量産製品にも採用されているマイコンに追加的にAI機能を組み込めることを強くアピールしていた。また、時系列データを対象とするAIモデルのオンデバイス学習が可能なことも大きな特徴になっている。
AI振動抑制のデモは、Cortex-M7マイコンである「KM1M7A」の評価ボードを用いて、モーターの振動要因となる高調波トルクリップルをAIによる電圧補償で抑制するというものだ。同様のデモでは加速度センサーで振動データを取得することも多いが、今回はモーター電流の時系列データからモーターの状態を検知するセンサレスの構成となっている。オンデバイス学習を活用すれば、個体差や経年劣化にも対応できる。
AI異常検知の遠隔モニタリングでは、ファンのモーター電流の微小な電流変化からフィルター目詰まりをAIモデルで検知し、AWSのクラウド経由で遠隔モニタリングできることを示した。使用しているマイコンはCortex-M4を搭載する「M467」である。こちらもオンデバイス学習が可能だ。
また、RNN(回帰型ニューラルネットワーク)の一種であるレザバーコンピューティングを用いた、ロボットハンド向け滑り出し検知のデモも行った。レゴで構築した4本指のロボットハンドに触覚検知を可能にするピエゾセンサーを組み込んでおり、把持した物体が落ちないように、脊髄反射的にモーターを制御するという内容になっている。使用しているマイコンはKM1M7Aで、レザバーコンピューティングの技術はQuantumCoreが提供している。
ルネサス エレクトロニクスは、AIアクセラレータを搭載するフラグシップマイコン「RA8P1」を用いた顔検出デモと、AIアクセラレータを搭載しない汎用マイコン「RA8M1」を用いた音源分離デモを披露した。
顔検出デモに用いたRA8P1は、Cortex-M85に加えてArmのNPUである「Ethos-U55」を搭載している。NPUを用いることで最大20人までの顔検出が可能だ。最大でメモリを4MB搭載していることもあり、追加メモリなしで顔認証アルゴリズムを用いた入退管理の可能で、採用を検討しているユーザーもあるという。
一方、音源分離デモは、テクノマセマティカルのアルゴリズムを組み込んでいる。2つのマイクの音量差と時間差を利用するブラインド音源分離により、騒音環境下でも音声認識を行えるという。今回はRA8M1を用いているものの、より安価な「RA6M1」や「RA4M1」などにも組み込めるとしている。
これらの他、独自アクセラレータ「DRP-AI」を搭載するMPU「RZ/V2H」と、ディープインサイトの非接触ユーザーインタフェース「KAIBER Touchless」を用いた展示も行った。ToF(Time of Flight)カメラで撮影した指先をつまんで/離すジェスチャーを、DRP-AIによってKAIBER Touchlessでリアルタイム認識して、HMI(Human Machine Interface)を触れずに操作できる。応答性が高く、マウスライクな操作感覚が特徴だ。
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