三菱ケミカルGがソアノールの投資計画見直し、300億円の減損損失を計上製造マネジメントニュース

三菱ケミカルグループが、英国におけるエチレン・ビニルアルコール樹脂「ソアノール」の設備投資計画見直しを発表した。この見直しの要因とは――。

» 2026年04月27日 06時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 三菱ケミカルグループは2026年4月22日、連結子会社である英国法人のMitsubishi Chemical UKが製造販売を行うエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂「ソアノール」について、投資計画を見直すことを同日に決定したと発表した。

資材/人件費の高騰や工程の遅延などが影響

 ソアノールは、三菱ケミカルグループの独自技術によって開発されたエチレン・ビニルアルコール共重合樹脂で、高いガスバリア性、耐油性、透明性を有している。食品包装材として用いることで、食品の風味や品質を長持ちさせ食品ロス削減に貢献する。

 また、他の素材に比べて薄膜化が可能でプラスチック使用量の削減にも貢献することから、環境配慮型の素材として国内外で需要が拡大しているという。同社は、こうした需要の拡大に対応するため、英国において1年当たり2万1000トン(t)の能力増強を伴う設備投資を進めてきた。

 しかしながら、今回の設備投資は設計/施工上の制約が多い特殊な工事を伴うものであったことなどから、契約/管理体制が複雑化し、各工程での遅延や追加の安全性評価などが発生した。これに昨今の英国内外のインフレによる資材/人件費の高騰も重なり、設計の詳細化や現地での見積もり精査などを進める中で、工事関連費用は当初の想定を上回り、全体の工期にも遅れが生じている。

 当初の計画からの費用超過と工期遅延という状況を踏まえ、同社は投資額の増額を決定した。この決定に伴い、投資額の増加による収益性の低下が見込まれる。そのため、現在までに発生した投資関連費用を含むソアノール関連固定資産の減損処理を行う。これにより、2026年3月期の決算で約300億円の減損損失を計上する予定だ。

 なお、この影響については、2026年2月5日公表の2026年3月期通期連結業績予想には織り込んでいない。今回の見直しによる影響も含む2026年3月期連結業績については現在精査中だ。加えて、新製造設備の稼働開始時期は2027年度を予定している。

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