Losantの買収によりタイニーエッジにも対応できるようになったSUSEだが、今後はどのようにエッジ戦略を進めるのだろうか。 フェルドマン氏は「SUSEはエッジ戦略において、産業全域にわたる水平展開と、オープン化によるベンダーロックイン回避を軸にしている」と強調する。
まず、産業全域にわたる水平展開では、通信や医療、車載、工場など1つの産業に特化するのではなく幅広くカバーする。そして、産業ごとの展開については、その産業を得意とするパートナーとの協業によって実現していく。
オープン化によるベンダーロックイン回避はSUSEが最も力を入れている施策だ。「地政学的なリスクが高まる中で、ベンダーロックインは製品やサービスのレジリエンスを下げコントロールを難しくする大きな要因になり得る。SUSEとしては、ハードウェアとソフトウェアオープン化を推進することで、顧客がベンダーロックインに陥ることがないような取り組みを進めている」(フェルドマン氏)。
エッジ戦略と関わるオープン化の取り組みでは、Linux Foundation傘下の「Margoイニシアチブ」において、タイニーエッジと関わりの深いIIoT(産業向けモノのインターネット)インターオペラビリティのワーキンググループで活発に活動している。フェルドマン氏は「Losantのプラットフォームは現時点でオープンではないが、今後はオープン化に舵を切っていきたい。このワーキンググループの活動にも大きく貢献できるのではないかと考えている」と述べる。
この産業全域にわたる水平展開とオープン化によるベンダーロックイン回避は、タイニーエッジやIIoTの可能性を広げる大きな機会になるというのがSUSEの見立てだ。「IIoTにはさまざまなスタックがあるが、オープン化することでユーザーの選択肢は増えていく。そして、SUSEだけでなく他の企業もオープン活動の成果であるコードを積極的に活用してソリューションに組み込んで行けば、より自由な選択肢を与えられるはずだ」(フェルドマン氏)。
なお、日本市場におけるエッジ戦略では、海外でも需要が多いという共通点から製造業向けの展開に注力する方針である。日本法人のSUSEソフトウェアソリューションズジャパンでカントリーマネージャーを務める渡辺元氏は「製造業や流通をはじめ、グローバル展開している国内企業からエッジ関連の引き合いが増え始めている。他にも、製造業の外観検査でSUSEのエッジ関連の技術を採用した事例もある。ニアエッジからファーエッジ、タイニーエッジに至るまでクラウドネイティブのメリットを享受できるソリューションを展開しているのはSUSE以外にないだろう」と述べている。
SUSEがエッジに熱視線、3つのセグメントに分けてソリューションを展開
Linux環境でのハードリアルタイムを実現する「RTAI」
Linuxでハードリアルタイムを実現するもう1つの選択肢「Xenomai」
レッドハットがエッジ市場に本格参入、「Red Hat Device Edge」を展開
サイバートラストの10年サポート組み込みLinux「EMLinux」がx86プロセッサに対応
SDVに向け不足する組み込みソフトエンジニア、Linux FoundationとJASAが育成へCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
組み込み開発の記事ランキング
コーナーリンク