帝人リジェネットとiPSポータルは、個人から採取した体細胞からiPS細胞を製造し、長期保管するサービス「Bio-Resource Reserve」を2026年4月から開始すると発表した。
帝人リジェネットとバイオベンチャーのiPSポータルは2026年3月16日、京都府京都市内とオンラインで会見を開き、個人から採取した体細胞からiPS細胞を製造し、長期保管するサービス「Bio-Resource Reserve(バイオ・リソース・リザーブ、BRR)」を2026年4月から開始すると発表した。同サービスは同年4月1日から受付を開始する。価格は1000万円〜だ。
帝人リジェネットは、2023年に設立した再生医療等製品の開発製造受託機関(Contract Development and Manufacturing Organization、CDMO)事業を専業とする帝人のグループ会社である。iPSポータルは、自治体(京都府と京都市)やさまざまな業界の大手企業から出資を受け、再生医療分野を中心に事業展開するライフサイエンス企業だ。
BRRの開始に伴い、両社は同サービスにおける自家iPS細胞の製造に関する委受託契約を締結した。両社はiPS細胞による自家治療(自身の細胞を用いた治療)の将来的な社会実装を見据えて同サービスを展開していく。
iPSポータル 取締役 CFOの中河圭二氏は「BRRは顧客が健康な間にiPS細胞を樹立して保管する。細胞が必要になった際には、治療製品メーカーに細胞を迅速に届けて治療細胞化させ、病気の治療に役立たせることができる」と語る。
同サービスは契約締結後に医療機関で顧客の血液を採取し、血液中の体細胞から帝人リジェネットが自家iPS細胞を製造。その後、製造したiPS細胞はiPSポータルで管理する。帝人リジェネットは、iPSポータルからiPS細胞の製造および品質試験に関する技術移管を受け、帝人リジェネットの拠点である「岩国ファクトリー(山口県岩国市)」で、2026年秋ごろまでに製造体制の確立を目指す。
顧客はBRRを活用することでiPS細胞の長期保管が可能だ。同サービスでは細胞の超低温保管を実施することで細胞の時間を止めて、健康な状態の細胞を半永久的に維持できる。そのため、顧客は将来の疾患/ケガに備えて健康な自分の細胞を治療原料として保有できる。
また、自家iPS細胞の品質に関しては世界共通の規格が定められていない。そのためiPSポータルは、iPS財団や専門家とともに自家iPS細胞を再生医療製品の原材料とするための品質規格や、製造工程における品質管理体制について協議を進めている。
今後、両社は2030年度に年間1000人分の受注獲得とiPS細胞を製造し、約100億円の売上高達成を目指す。両社はBRRで製造したiPS細胞を活用し、自家治療製品を開発する企業の開発を支援し、同サービスの認知向上と拡大に努めていく。帝人リジェネット 代表取締役社長の田中泰至氏は「両社で組むことで、国内外のビジネス加速や保管体制、将来的な商品化、製造拠点の多極化を追求していく。『再生医療にスピードを』がわれわれのポリシーである」と述べている。
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