プラスチック循環利用協会の統計結果を基にCRJが作成したレポートによれば、現在、日本国内では年間911万トンの使用済みプラスチックが排出されているが、そのうちマテリアルリサイクルによって再生利用されているのは、約2割の179万トンにとどまる。CRJは、これらから単純焼却や埋め立てを除いた約631万トン使用済みプラスチックを、ケミカルリサイクル原料のターゲットとして定める。
ケミカルリサイクル・ジャパン 代表取締役社長の岡村仁彦氏は、CR事業の位置付けについて「決してマテリアルリサイクルを展開する企業と競合するものではない」(岡村氏)と強調する。使用済みプラスチックに熱を加えて再び製品にするマテリアルリサイクルは、エネルギー効率の面で優れる一方で、単一素材に限られることや、熱履歴による品質劣化の点で制約がある。対してケミカルリサイクル技術では、品質劣化のない再生が可能である他、複合素材や汚れのあるプラスチックを受け入れられる点に強みを持つ。
状態が良好な使用済みプラスチックはマテリアルリサイクルを優先し、そこで処理できず焼却されていたものを、ケミカルリサイクルで対応し、相互補完的な役割分担とする構えだ。
出光興産グループの基礎化学品部は、国内7拠点/海外2拠点を有し、オレフィン製品200万トン、アロマ製品400万トン規模の供給能力を持つ。長年にわたり基礎化学品事業を展開してきた同社だが、脱炭素社会の実現や資源循環への社会的要請が高まる中、輸入した化石燃料を使い捨てにするリニアエコノミー(直線型経済)から脱却し、国内にある資源を循環させる「サーキュラーエコノミー(循環型経済)」への転換を目指している。
「エネルギーや資源供給の大半を海外に依存する日本だからこそ、国内にある使用済みプラスチックを『準国産資源』と捉え、循環させることは喫緊の課題である」(出光興産 執行役員基礎化学品部長(兼)化学事業連携推進担当の宮岸信宏氏)
また、宮岸氏は、「サーキュラーエコノミーの実現は1社単独では不可能」と話す。業界再編によるパートナーシップの強化に加え、廃棄物収集運搬などの静脈産業とも広く連携し、社会全体での資源循環システムの構築を目指す方針だ。
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