使用済みプラ年2万トンをケミカルリサイクル油へ、出光興産とCRJが市原事業所を完工リサイクルニュース(1/2 ページ)

出光興産とケミカルリサイクル・ジャパンは、「市原事業所」が完工したと発表した。独自技術で年間2万トンの使用済みプラを資源化する。2026年4月から商業運転開始予定だ。

» 2026年01月22日 07時30分 公開
[安藤照乃MONOist]

 出光興産の子会社であるケミカルリサイクル・ジャパン(CRJ)は2026年1月19日、東京都内で会見を開き、千葉事業所(千葉県市原市)に隣接する「市原事業所」が完成したと発表した。

 同事業所は、使用済みプラスチックを再資源化する油化ケミカルリサイクル設備や前処理施設を備え、年間2万トンの使用済みプラスチック処理能力を有する。2026年1月上旬より試運転を開始し、同年4月の商業運転開始を予定している。

市原事業所の外観 市原事業所の外観[クリックで拡大] 出所:ケミカルリサイクル・ジャパン

独自の油化技術でケミカルリサイクル油を生産

出光興産 執行役員基礎化学品部長(兼)化学事業連携推進担当の宮岸信宏氏(左)とケミカルリサイクル・ジャパン 代表取締役社長の岡村仁彦氏(右) 出光興産 執行役員基礎化学品部長(兼)化学事業連携推進担当の宮岸信宏氏(左)とケミカルリサイクル・ジャパン 代表取締役社長の岡村仁彦氏(右)[クリックで拡大]

 CRJは、前処理技術と独自の油化技術の組み合わせにより、従来のマテリアルリサイクルでは処理困難だった使用済みプラスチックを資源化するモデルを確立した。同事業所では、アルミや紙が混入したプラスチックや、混合プラスチックなども受け入れ可能としている。前処理施設では、これらの廃棄物から不適物を除去し、次の油化プロセスへ投入可能な原料として加工する。

ケミカルリサイクル事業の特長 ケミカルリサイクル事業の特長[クリックで拡大] 出所:ケミカルリサイクル・ジャパン

 油化プロセスでは、触媒を用いた接触分解システムを採用した。一般的な熱分解では、ワックス分や重質油が残留しやすいという課題があったが、触媒反応を用いることで、軽質原油に相当するケミカルリサイクル油(CR油)を生産することに成功した。生産したCR油は、出光興産グループ製油所/事業所の石油精製装置や石油化学装置において原料として使用する。ここでは石油由来の原料とリサイクル由来の原料が混合しているため、マスバランス方式(物質収支方式)を適用し、エチレンやプロピレンなどの「ケミカルリサイクル化学品」へと再資源化する。

触媒接触分解システムによる油化技術 触媒接触分解システムによる油化技術[クリックで拡大] 出所:ケミカルリサイクル・ジャパン

 なお、使用済みプラスチックの原料調達においては一般廃棄物系と産業廃棄物系の両方を対象としており、産業廃棄物処理業の許可についても今後取得を進める予定だ。

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