帝人は、デジタルプロダクトパスポートを活用した、リサイクルポリカーボネート樹脂のトレーサビリティーに関する実証を開始する。リサイクルPC樹脂と新品のPC樹脂を組み合わせた「パンライトCM」が流通する市場を仮想して有効性を確かめる。
帝人は2025年11月11日、デジタルプロダクトパスポート(DPP)を活用した、リサイクルポリカーボネート(PC)樹脂のトレーサビリティーに関する実証を開始すると発表した。欧州の廃自動車(ELV)規則案に対応する、トレーサビリティーの確保を目指す。
DPPは、オランダのITスタートアップ企業Circulariseによるデジタル証明の仕組みを使って実現している。製品のライフサイクル全体にわたる製造と使用、廃棄の履歴を、素材情報とともに網羅的に記録する。
同実証では、市場から回収した自動車のヘッドランプ由来のリサイクルPC樹脂と、新品のPC樹脂を組み合わせた環境配慮型PC樹脂ブランド「パンライトCM」が流通する市場を仮想してDPPの有効性を検証する。PC樹脂製品を購入する企業は、DPPを通じて原料情報から当該製品が廃自動車由来であるかを容易に確認できる。また、物性データや再生材の含有量なども確認可能だ。
帝人は、同実証を通じて、廃自動車に関するELV規則案への対応手段としてDPPの有効性を評価する。将来的には、リサイクル材を使うPC樹脂製品にDPPを付与し、環境配慮型材料の調達を検討する企業が調達段階から環境性能を定量的に把握できる体制の構築を目指す。
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