住友電工は「第16回 高機能フィルム展 FILMTECH JAPAN」に出展し、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)から成る多孔質材料「ポアフロン」と開発品のポアフロンナノモジュール「CONTAPEX」を紹介した。
住友電気工業(住友電工)は「第16回 高機能素材 Week −Highly-Functional Material Week−」(会期:2025年11月12〜14日、幕張メッセ)内の「第16回 高機能フィルム展 FILMTECH JAPAN」に出展し、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)から成る多孔質材料「ポアフロン」と開発品のポアフロンナノモジュール「CONTAPEX」を紹介した。
ポアフロンはPTFE由来の優れた耐薬品性、耐熱性、撥水性を備えている他、多数の微細な孔を有している網目状の構造で、気体透過性や精密ろ過透過性も持つ。住友電工の説明員は「精密ろ過、エアベント、シール材、絶縁材などで採用実績がある」と話す。
ポアフロンよりも微小な孔径の孔を備えた超微小孔径膜としてポアフロンナノが開発されている。ポアフロンナノ製の極細中空糸をフッ素樹脂筐体に高密度に充填(じゅうてん)したオールフッ素モジュールがCONTAPEXとなる。「当社調べでは、CONTAPEXは業界最高水準の気液接触器性能を有している」(住友電工の説明員)。
CONTAPEXは、材料が全てフッ素樹脂であるため、高温への耐性や耐薬品性、耐腐食性に優れ、厳しい環境下でも安定して使用できる。極細中空糸が高密度で充填されているため、コンパクトな設計で省スペース化にも貢献する。CONTAPEXの配管/継手類は全て規格品が採用されているため、自由設計が可能で、既存設備に導入しやすい。住友電工の説明員は「極細の中空糸構造により高負荷の圧力をかけてもリークしにくい」と述べた。
用途としては、給気/曝気(ばっき)や異物を除去するろ過、ガス分離が想定されている。
現在は量産設備の整備中で、CONTAPEXの量産開始は2027年度以降を予定している。住友電工の説明員は「当社では、ポアフロンナノ製の極細中空糸の製造からモジュール化まで、一貫して自社生産できる」とコメントした。
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