TOTOは「TOTO CONNECT PUBLIC」施設利用者向け機能を新たに追加した。スマートフォンで二次元コードを読み取ると、リアルタイムの利用状況や設備情報の確認、清掃リクエストの送信ができる。
TOTOは2025年9月26日、同社テクニカルセンター(東京都渋谷区)でパブリックレストルーム向けIoT(モノのインターネット)サービス「TOTO CONNECT PUBLIC」の新機能を説明するとともに報道陣にデモンストレーションを公開した。同年8月にサービス開始した施設利用者向け「ユーザーコネクト機能」には、新たに「トイレ設備・混雑ナビ」と「トイレお困りリクエスト」の2機能が加わっている。
1つ目の新機能である「トイレ設備・混雑ナビ」は、利用者がスマートフォンを用いて案内板などに掲示された二次元コードを読み取ったり、商業施設のWebサイトからアクセスしたりすることで、トイレブースの混雑状況やベビーチェアの有無などの設備情報、対象トイレの位置を示すマップデータを表示する仕組みである。
混雑状況は混雑(トイレ利用率80〜100%)、やや混雑(同50〜80%)、空いている(同0〜50%)で示される。また、ピクトグラムでトイレ内の設置器具を表示しており、クリックすると実際のトイレブースの画像も確認できる。
2つ目の新機能「トイレお困りリクエスト」は、利用者から管理者に、トイレの詰まり解消やペーパーの補充などのリクエストを送信できる機能だ。トイレの室内などに掲示されている二次元コードを使ってアクセスできるWebサイトから対応を希望する項目を選択してコメントを添えると、リアルタイムで施設管理者に通知が届き、場所とリクエスト内容を確認の上で適切なタイミングで対応が実施される。
新機能のサービス開始に先駆けて行った実証実験では、「小さい子供がいるとトイレを探すのも大変なので助かる」「汚れたトイレに遭遇しても報告先が分からず放置しがちであったが、この機能があれば伝えやすい」という声が上がったという。
TOTO CONNECT PUBLICは従来機能として、施設管理者向け機能も備えている。トイレの利用/混雑状況が分かるモニタリング機能や、トイレ器具に設置した無線モジュールを活用して備品の補充や機器の故障を知らせる機能などがある。上限設定数はなく、大規模デベロッパーが全国に展開する施設のトイレを一括して管理することも可能である。
TOTO CONNECT PUBLICの料金は、IoT対応器具(ウォシュレットトイレなど)や通信機器の購入などの初期費用と月額の利用料で構成されている。また、日本語、英語、中国語、韓国語の4言語に対応しているものの、当面の海外展開は考えておらず、まずは国内での市場拡大を目指しているという。
TOTO IoT推進部 IoT推進グループの町田啓太氏は、「日本国内ではパブリックトイレにおいて(当社などの)高機能トイレの採用率が高く、トイレの快適さや清潔さが施設利用満足度に直結するケースが多い。ユーザーコネクト機能を追加することで、施設利用者と管理者の双方により付加価値の高いサービス提供をしたい」と展望を語った。
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