時代はDXからAIが当たり前に浸透する「IX」に突入へ CES 2026の内容をひもとくCES 2026(1/2 ページ)

ブレインパッドは、CES 2026現地レポートおよびNVIDIAを中心とした今後のAI業界動向について説明した。【訂正あり】

» 2026年02月04日 07時15分 公開
[坪田澪樹MONOist]

 ブレインパッドは2026年1月19日、オンラインで記者勉強会を開催し、CES 2026現地レポートおよびNVIDIAを中心とした今後のAI(人工知能)業界動向について説明した。

DXから「IX」フェーズへ突入か

 CES 2026の全体像について、BrainPad AAA(ブレインパッド エーキューブ) 代表取締役社長 CEOの辻陽行氏は「2025年はデジタル領域におけるAIエージェントや生成AIが実際に実行できるようになるという話が中心だった。2026年はそこから一歩踏み込み、『フィジカルAI』という形で明確にメッセージを伝えていた」と語る。

【訂正】初出時、辻陽行氏の肩書に誤りがありました。おわびして訂正いたします。[編集部/午前11時40分]

 フィジカルAIは定義が定まっていない部分もあるが、実際の物理的なデバイスについているセンサー(カメラ、音声、赤外線など)を通じて実世界を理解し、その理解に基づいて実際に自分で何をするかを決めて行動できるAIのことを定義している。「これまで2015年頃から言われていた『DX(デジタルトランスフォーメーション)』から、AIがプロダクトの中に当たり前に入ってくる『IX(インテリジェントトランスフォーメーション)』へという概念がCES会場では紹介されていた」と辻氏は説明する。

 CES 2026の会場では従来なかった部分にAIを活用したヘルスケア領域の展示も数多く見られたという。母子の健康をサポートするヘルスケアソリューションを展開するCorofloは授乳量測定デバイス「Coro」を披露した。同デバイスは乳児が母親から授乳を受ける際に、どれくらい母乳を飲むことができたのかをセンサーで可視化できる。これまで感覚や見た目では分かりづらかった健康状態を、独自のセンサーデバイスでデータ化するサービスが登場している。

Coroの外観[クリックして拡大] 出所:ブレインパッド

 歯科矯正の事例では韓国のinnoDtechが開発した「Dr.AlignNavi」を紹介。マウスピースを作成する際に、取得した歯型のデータを基にAIが矯正治療計画をその場で瞬時に作成できる仕組みを披露した。治療期間の短縮や精度の向上など、医療分野における活用も広がっている。

Dr.AlignNaviの活用イメージ[クリックして拡大] 出所:ブレインパッド

 フィジカルAIの進化を披露するために数多くのロボット開発会社も出展した。中国に本社を置くAGIBOTは、シャンパングラスを落とさないように持ちながら配膳するロボットを披露した。スイスのLEM Surgicalは、患者の状況を把握して手術を行うロボットを紹介していた。辻氏は「特定の目的に特化した産業用ロボットとして、認識能力が上がり、従来では難しかった身体制御が安定してきている」と述べる。

会場で披露したAGIBOTのデモンストレーションの様子[クリックして拡大] 出所:ブレインパッド

 他にも、シンガポールのロボティクスベンチャーであるSharpaは卓球のラリーをリアルタイムで認識し、ロボットアームを駆使して球を打ち返すデモを披露するなど、高速な物体認識と行動決定が可能な技術が誕生し始めている。「ただし、これは卓球台や照明などの環境を整えた上でのデモであり、荒れた環境ですぐに使用できるわけではない」(辻氏)。

Sharpaが会場で披露した卓球デモンストレーションの様子とロボットの挙動について[クリックして拡大] 出所:ブレインパッド

 また、現地に参加したブレインパッド セールス&マーケティング部 エンタープライズセールスの長谷部燿氏は「現地の印象として、AIがインフラや日常に溶け込み、『黒子』的な存在になるという世界観が各社共通していた。ウェアラブルデバイスや家電(スマートホーム)にAIが搭載され、センシング技術と自己判断で生活を支える展示が多かった」と分析する。

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