パナソニック インダストリーは、多層基板材料「MEGTRON」の生産能力を2025年度からの5年間で約2倍に拡大する。第1弾としてタイのアユタヤ工場に約170億円を投資し、新棟を建設する。
パナソニック インダストリーは2025年9月12日、高速通信ネットワーク機器などに使われる多層基板材料「MEGTRON」のグローバル生産体制を強化し、2025年度からの5年間で生産能力を約2倍に拡大する計画を発表した。
第1弾として、タイのアユタヤにある生産拠点Panasonic Manufacturing Ayuthayaに新棟を建設する。投資額は約170億円で、2027年11月に稼働を開始し、2028年度内に量産体制を整える予定だ。新棟は延床面積約1万9400m2で、自動化や省人化、省エネ技術を取り入れた「Slim&Smart Factory」として運営される予定だ。
背景には、生成AI(人工知能)の普及に伴う通信データ量の増加がある。サーバやルーターなど情報通信機器では、高速かつ大容量通信や処理性能の向上が求められており、基板材料にも低伝送損失が期待されている。
MEGTRONシリーズはサーバやスーパーコンピュータ、基地局などに広く採用されており、特に2004年から量産される「MEGTRON6」は低伝送損失基板材料の先駆けとして産業賞を受賞してきた。同社は今回の投資により、AIサーバ需要の高まりに応えるとともに、情報通信インフラの性能向上に貢献していく考えだ。
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