ECサイトの業務フロー図を作成すると、次のようになります(図4)。
図4は、次の業務フローを図で表しています。
この業務フロー図を発注側と共有すると、「運用イメージが正しいか」「フローに抜けがないか」「異常系はないか」を詰めていくことが可能です。
業務フロー図作成の注意点は、以下の2つです。
ECサイトの詳細な流れを書くだけでも図が肥大化します。よって、ある程度大ざっぱに書き、階層構造の図にして、段階的に詳細化するといった書き方にしましょう。
発注側に、「業務の流れを教えてください」と聞いても、系統的にうまく説明できず、なかなか話が進まない可能性があります。この場合は、開発側でたたき台となる業務フロー図を作成してヒアリングしましょう。
今回は、業務フローに着目して、ECサイトの業務フローの作成方法と注意点を紹介しました。業務フロー図を活用すれば、全体の処理の流れを把握しやすくなります。さまざまな方法の一つとして選択肢に入れていただけるとありがたいです。
読者の皆さんは、自身がこれまで体験してきたアルバイトの経験を基に業務フローを作ってみてはいかがでしょうか。これにより、業務の流れとシステムの関係を俯瞰(ふかん)的に捉える訓練になり、一見関係のないアルバイトの経験が今後のソフトウェア開発で大いに役立つかもしれません。
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人間環境大学 環境情報学科 教授(工学博士)
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