大阪・関西万博で「水の循環」を表現する超撥水材料 蛇のように躍動材料技術

NTTアドバンステクノロジは、ゼリ・ジャパンが出展する大阪・関西万博の民間パビリオン「BLUE OCEAN DOME」のドームAにおいて、神秘的な水の動きによって「水の循環」を表現する展示物に対し、超撥水材料「HIREC」を提供/技術協力したと発表した。

» 2025年06月02日 07時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 NTTアドバンステクノロジ(NTT-AT)は2025年5月29日、ゼリ・ジャパンが出展する「2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)」(会期:2025年4月13日~10月13日)の民間パビリオン「BLUE OCEAN DOME(ブルーオーシャンドーム)」のドームAにおいて、神秘的な水の動きによって「水の循環」を表現する展示物に対し、超撥水材料「HIREC(ハイレック)」を提供/技術協力したと発表した。

コロコロとパチンコ玉のように動く水滴

 2019年に開催されたG20大阪サミットでは、海洋プラスチックごみによる追加的な汚染を2050年までにゼロにすることを目指す「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を公表した。BLUE OCEAN DOMEは、海洋資源の持続的活用と海洋生態系の保護をテーマとしたパビリオンで、来館者が楽しみながら大阪ブルー・オーシャン・ビジョンの実現で必要な環境配慮の考え方を学べる。

 同パビリオンでは、「海の持続的活用」の保全と啓発促進、「ブルーオーシャン宣言」実現に向けた取り組みを紹介中だ。

 BLUE OCEAN DOMEのドームAでは「水」をテーマとして展示物が披露されている。この展示物は、HIRECを施した白い盤面の上を、特徴的な動きで水が躍動する。小さな水滴だとコロコロとパチンコ玉のように運動するが、それが1つにまとまると表面張力によってブヨブヨと固まり、流れ出すと蛇のように動く。

HIREC塗装面上の水滴 HIREC塗装面上の水滴[クリックで拡大] 出所:NTTアドバンステクノロジ

 HIRECは、通常の撥水材料とは異なり初期接触角150度を超える撥水性を持ち、塗装面上では水が球状になり、わずかな傾きがあるだけで水滴は転がり落ちる。また、水だけでなく雪や氷にも効果を発揮することから、美術/芸術品の他、アンテナの電波減衰対策や高所構造物の落氷雪事故防止など、さまざまな分野で利用されている。

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