「野菜を作っても、包む袋がないから出荷できない」――今、日本の農業現場でナフサショックの影響が深刻化している。この問題を可視化した、農業総合研究所の実態調査を紹介する。
全国の都市部を中心としたスーパーマーケットで「農家の直売所」を運営する農業総合研究所(農業総研)は2026年6月2日、農業総合研究所の登録生産者(農家)などの38人を対象に行った「農業資材の高騰/調達難に関する実態調査」の結果を発表した。同調査は同年5月に自記式アンケートおよびヒアリングで行われた。
同調査の結果によれば、対象者全体の約9割が「(2026年)4月以降に資材の価格/入手方法に変化を感じた」と回答している。対象者の6割が「欠品/納品遅延を実感している」と答えており、影響を受けた資材として最も多く挙げられたのはボードン袋で、ほぼ全ての回答者が言及した。
具体的には、下記の意見が寄せられた。
ボードン袋の品薄だけでなく、入手できたとしても価格高騰の影響が農家経営を直撃しているという。同調査の結果では、2025年比で「30%以上のコスト上昇」を実感している農家が約4割に達していることが分かった。
ボードン袋以外にも、農業用マルチ、肥料、農薬、フィルム類など複数の資材が同時に高騰しており、農家のコスト負担は急増している。しかし農産物の販売価格への転嫁はすぐには難しく、農家の手取りは実質的に減少し続けている状況だという。
こうした状況を受け、同調査で「作付け面積を減らすことを検討した」と答えた農家も2割いた。
ポテチはなぜ白黒になったのか? ナフサから見る石油化学サプライチェーン
国内製造業の3割がナフサ調達リスクに直面、4.7万社に影響
ごみから「国産ナフサ」、製造プロジェクト加速
旭化成は6月中旬〜末までエチレンを生産可能、中東情勢悪化の影響とは
一般消費者の9割超が「ナフサ不足」認識、最大の懸念点とはCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
素材/化学の記事ランキング
コーナーリンク