中国製品は、コストや品質、デザイン、機能などの特徴が挙げられることが多いが、私は2つの特徴があると見ている。それはスピードと順応性だ。
彼らはものすごく早い。コピーするのも、アレンジするのも早い。また、ユーザーが求めるのはこれくらいの品質だと理解したら、それにすぐ順応する。
パナソニックの製品は、“このレベルの品質は維持しなければならない”という確固とした基準がある。中国企業は、ユーザーが“これくらいでいい”といえば、それに対応する。そういったスピードと順応性は彼らの強みだ。
ただ、ベトナム人の国民性として、侵略者を撃退することには長けている。特に、中国に対しては“経験”※2がある。
※2…1979年に中国がベトナムに侵攻し、中越戦争が勃発。ベトナムの反撃を受けて、中国は撤退した。
われわれは、ベトナム全土にネットワークを持っている。各地域の特徴をよく捉え、ユーザーの声を素早く拾い、それに応えることで、彼らのスピードに勝り、ベトナム市場を守っていきたい。
私はベトナム語、英語、中国語が話せる。相手を知るためには、彼らの言葉を理解しなければならない。そのためにも、中国語を勉強して、相手を知ろうとしている。もちろん、パナソニックのように強固な信頼関係が築けていれば、相手の言葉をそれほど使わなくてもいい。
日本でパナソニックの配線器具の市場シェアは85%と聞いている。ベトナムではまだ40〜50%で、日本の85%とは大きな差があり、十分伸びしろがあると思っている。
全体的にベトナム人は日本の製品に対して好印象を持っている。Made in Japanの製品が好きというベトナム人は多い。われわれのオフィスの前は地下鉄が走っているが、これは日本のODA(政府開発援助)を活用して建設されている。
もともと、パナソニックの製品はベトナムで“プレミアム”な製品の位置付けだったが、今はさまざまな価格帯、機能の製品を提供している。ベトナムでも高収入の人々が増えており、彼らにとってパナソニックの製品を持つということがステータスの1つになっている。そういった製品を提供できることを幸せに思う。
パナソニックとの信頼関係は年々強固になっている。互いに理解し合い、協力し合うことができて、共に発展してきた。今後も、互いに協力して事業を展開していきたい。そうすることで、“北にある大国”にも負けずに発展できると信じている。
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