スター精密は、同時4軸制御の工具旋回制御軸(B軸)を採用した最大加工径20mmのスイス型自動旋盤「SR-20RIV type E」を開発。独自の均等荷重クロスガイド構造を採用し、刃物台剛性を高めた。
スター精密は2025年4月8日、同時4軸制御の工具旋回制御軸(B軸)を採用した、最大加工径20mmのスイス型自動旋盤「SR-20RIV type E」を開発したと発表した。自動車や医療機器などの幅広い業種に向けて、同年8月に販売を開始する計画だ。
B軸制御を採用したことで、割り出し加工の角度をNCプログラムで柔軟に設定できるようになった。3次元ミーリング加工などの同時4軸制御により、複雑形状の部品も加工できる。さまざまな複合加工にも対応できるよう、搭載工具数は最大41本となっている。
また、正面加工用のクシ刃型刃物台は、同社独自の均等荷重クロスガイド構造を採用。直動ガイドベアリングをガイドブッシュ中心に均等配置することで、切削加工時にかかる負荷を均等に分散する。直動ガイドベアリングそれぞれにかかる荷重を最小限に抑えることで剛性を高めた。長時間連続稼働時の精度を安定させ、直動ガイドベアリングの長寿命化にもつながると見込んでいる。
さらに加工部品の全長寸法によって、ガイドブッシュの有無を切り替えられる機構を採り入れた。長い部品の加工なら材料の振り止めにガイドブッシュを使い、短い部品の加工ならノンガイドブッシュ仕様にすることで、残材の廃棄量を3分の1程度に削減できる。
SR-20RIVシリーズには既に、手動式の角度調整型回転工具ユニットを搭載する「type A」と、同時5軸制御に対応のB軸付回転工具ユニットを搭載する「type B」の2タイプがある。2012年の販売開始以来、累計販売台数は2400台超となっている。
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