2025年1月30日、TEHDAS2は、ポーランドのワルシャワで「TEHDAS2ステークホルダーフォーラム2025」を開催した(関連情報)。同フォーラムは、EU研究開発プログラム「ホライズンヨーロッパ」のHealth-NCP-Net (HNN 3.0、関連情報)が、ポーランド保健省、ポーランド医師・歯科医師会、欧州がんオープンサイエンスクラウド(EOSC4Cancer)、EITヘルスと協力して開催した「欧州ヘルスデータ&イノベーションサミット」(関連情報)の一部として企画されたものである。
同フォーラムでの欧州委員会保健・食品安全総局(DG Sante)の説明によると、2025年1月30日時点で、以下のようなEHDSのタイムラインを想定している。
上記のタイムラインと関係が深いeヘルス技術インフラが、テクノロジー・トランスフォーメーション・デジタルサービス・インフラストラクチャ(eHDSI)およびそれを利用した電子越境保健医療サービスの「MyHealth@EU」である(関連情報)。現時点でMyHealth@EUは、上記の優先カテゴリー第1グループ(患者サマリー、電子処方せん、調剤)をカバーするEU域内の越境サービスを提供しており、長期的には、優先カテゴリー第2グループ(イメージング、医療検査結果、退院記録)に拡張する計画である。
またTEHDAS2は、今回のフォーラムに合わせて、以下の4つのガイドライン/技術仕様書草案を公開し、パブリックコメントの募集を行っている(募集期間:2025年1月20日~2月28日、関連情報)。
なお、個人/非個人電子保健医療データの再利用に関するガイドライン草案や、データの最小化/非識別化、仮名化、共通ITインフラに関する技術仕様書草案などについては、2025年9~10月をめどに公開し、パブリックコメントを募集する予定である。本連載第93回や第115回で取り上げた、データ保護エンジニアリング/プライバシー強化技術(PET)に取り組むディープテック企業が、技術仕様に対応してどのようなソリューションを提案していくかが注目される。
笹原英司(ささはら えいじ)(NPO法人ヘルスケアクラウド研究会・理事)
宮崎県出身。千葉大学大学院医学薬学府博士課程修了(医薬学博士)。デジタルマーケティング全般(B2B/B2C)および健康医療/介護福祉/ライフサイエンス業界のガバナンス/リスク/コンプライアンス関連調査研究/コンサルティング実績を有し、クラウドセキュリティアライアンス、在日米国商工会議所、グロバルヘルスイニシャチブ(GHI)等でビッグデータのセキュリティに関する啓発活動を行っている。
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