2025~2027年の中期経営計画も策定した。新中期経営計画の基本方針は「コア事業の競争力を高め、人の可能性を拡げる新技術を獲得し、人の悦びと環境が共存する社会をヤマハ発動機らしい挑戦で実現する」と設定。
ポートフォリオ経営をさらに進化させ、事業セグメントをコア事業(二輪車事業とマリン事業)/戦略事業(ロボティクス事業、SPV事業、アウトドアランドビークル=OLV事業)/新規事業に変更する。財務指標としては、2027年に売上高3.1兆円以上、2025~2027年の平均の営業利益率9%以上を目標とする。将来的に全ての事業がROIC12.5%を上回る経営を目指す。
また、2018年に発表した長期ビジョン「ART for Human Possibilities~人はもっと幸せになれる~」も2030年に向けて推進中で、長期ビジョンの実現に向けた後半戦がスタートする。
環境面では、2035年のカーボンニュートラル達成に向けて、2027年に企業活動における自社のCO2排出量を2010年比で74%削減する。製品使用中のCO2排出量は、マルチパスウェイで削減していく。サステナブル原材料使用比率は、現状の14%から2027年に18%に増やす。
新たな中期経営計画では、事業の収益力を安定させ、市場変動への耐性を高める。また、新技術の獲得に向けて積極的に投資する。市場に近い場所でニーズを発掘するリサーチ機能も強化していく。
ソフトウェアサービスと知能化、エネルギーマネジメントの3つを獲得すべきコア技術とし、コア技術も含めた研究開発費の総額は直近の中期経営計画から1300億円増の4900億円に増やす。エネルギーマネジメントは、二輪車の水素やバッテリー、合成燃料、マリン事業の水素エンジンなどを想定している。知能化は四輪の自動運転技術や、マリン事業の自動航行と自動離着岸が該当する。
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