鎌倉市がリデュース推進に向けて不要品回収ボックスを高機能化:サステナブル設計
鎌倉市は実証実験のため市役所本庁舎に設置している不要品回収ボックス「PASSTO」を高機能化した。AIカメラと重量センサーを用いて、投函された物の種類や重さ、投函時間などのデータを自動で取得する。
鎌倉市は2024年12月24日、鎌倉市役所本庁舎に設置している不要品回収ボックス「PASSTO(パスト)」を高機能化したと発表した。
鎌倉市では同年6月に、雑貨のリユースに関する活動促進と市民サービス向上の実証に関する協定を、資源循環サービスとしてPASSTOを展開するECOMMITと結んでいる。
高機能化した不要品回収ボックス「PASSTO」 出所:鎌倉市
新しいPASSTOは、AI(人工知能)カメラと重量センサーを用いて、投函(とうかん)された物の種類や重さ、投函時間などのデータを自動で取得する。PASSTOの高機能化に当たっては、慶應義塾大学が中心となって開発した使用済み詰め替えパック回収ボックス「しげんポスト」の技術を応用している。
新しいPASSTOに搭載した機器が、リアルタイムに近い形でおおよその投函人数や品数、投函物の特徴を取得するため、分析の工数削減や精度向上が期待できる。取得したデータを、リユースできるものの傾向の把握や各ボックスの収集効率化に活用し、産官学が連携してリデュース(ゴミの減量)を進めていく。
回収する雑貨のイメージ 出所:鎌倉市
なお、新しいPASSTOは3Dプリンタで製作されており、従来のボックスと比べて強度や耐久性が向上し、長期間の使用にも耐えられるという。
3Dプリンタによる「PASSTO」製作の様子 出所:鎌倉市
⇒ その他の「3Dプリンタ」関連ニュースはこちら
⇒ その他の「サステナブル設計」関連ニュースはこちら
- 鎌倉市を舞台とした資源循環のカタチ、3つの新たな取り組みの成果とこれから
「メイカームーブメント」から10年。3Dプリンタをはじめとする「デジタル工作機械」の黎明期から、新たな設計技術、創造性、価値創出の実践を積み重ねてきたデザイン工学者が、蓄積してきたその方法論を、次に「循環型社会の実現」へと接続する、大きな構想とその道筋を紹介する。「環デザイン」と名付けられた新概念は果たして、欧米がけん引する「サーキュラーデザイン」の単なる輸入を超える、日本発の新たな概念になり得るか――。連載第5回では「鎌倉市を舞台とした『デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点』プロジェクトのこれまでの成果」について取り上げる。
- 国産巨大3Dプリンタとリサイクルシステムを一体化、「鎌倉発」の最先端ラボ公開
慶應義塾大学SFC研究所 環デザイン&デジタルマニュファクチャリング共創ラボは、科学技術振興機構の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」において、地域共創分野育成型プロジェクトとして採択された「デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点」の地域研究活動サテライト拠点として開設する「リサイクリエーション 慶應鎌倉ラボ」の内覧会を開催した。
- オフィスとモノづくりの未来に向けてイトーキ中央研究所が5つの研究テーマを推進
イトーキは、同社の研究機関であるイトーキ中央研究所が掲げる「10年後のオフィスとモノづくりに関するビジョン」と、その取り組みを具現化した次世代オフィス家具のプロトタイプ第1弾を披露した。
- 日本における“循環型まちづくり”の姿を移動型施設や循環車などの展示で訴求
リスペクトでつながる「共生アップサイクル社会」共創拠点 アップサイクル都市モデル分科会は、駐日オランダ王国大使館で「日蘭アップサイクル建築・まちづくり展」(会期:2024年3月5〜6日)を開催した。分科会の活動内容の紹介や“循環型まちづくり”に関する各種展示が行われた。
- 3Dプリンタを活用した小型アップサイクルシステムで循環型社会の実現を後押し
エス.ラボと慶応義塾大学は「第8回 国際バイオマス展 春」に共同出展し、ペレット式3Dプリンタ、粉砕機、押出成形機、ネットコンベヤー、ペレタイザーで構成される「アップサイクルシステム」を披露した。
- 鎌倉に「国内初」のプラスチック高付加価値アップサイクル研究拠点を開設
科学技術振興機構の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」において、地域共創分野育成型プロジェクトとして採択された「デジタル駆動超資源循環参加型社会共創拠点」は、慶應義塾大学と鎌倉市、参加企業/団体21社の共創と、市民参加型実験を加速すべく、研究拠点施設「リサイクリエーションラボ」を開設した。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.