リコーは、リコーグループ傘下の産業用コンピュータと組み込みコンピュータの事業を担う新会社「リコーPFUコンピューティング株式会社」を2025年4月1日付で発足させると発表した。
リコーは2024年12月19日、リコーグループ傘下の産業用コンピュータと組み込みコンピュータの事業を担う新会社「リコーPFUコンピューティング株式会社」を2025年4月1日付で発足させると発表した。国内組み込みコンピュータ市場における新会社のシェアは40%超でトップとなり、今後はこのスケールメリットを生かしてIoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)と融合したエッジコンピュータの領域をリードしていく方針である。
新会社は、リコーデジタルプロダクツBU(ビジネスユニット)傘下で産業用コンピュータを手掛けるリコーインダストリアルソリューションズに、PFUで組み込みコンピュータを展開するエンベデッドコンピュータ事業を移管し、リコーインダストリアルソリューションズの社名を変更する形で発足することになる。
従業員数はリコーインダストリアルソリューションズの約590人にPFUの組み込みコンピュータ事業の約240人が加わって約830人となる。事業拠点も、リコーインダストリアルソリューションズの海老名事業(神奈川県海老名)と鳥取事業所(鳥取県鳥取市)、PFUの組み込みコンピュータ事業の拠点であるProDeSセンター(石川県かほく市)をそのまま継承する。
新会社の発足についてはPFUに出資する富士通(出資比率20%)も了承している。PFUは、イメージスキャナーに代表されるドキュメントイメージング関連事業や、顧客の安心安全に貢献するITインフラの構築/運用/保守サービスなどの事業を従来通り継続していく。
リコーインダストリアルソリューションズの顧客は工作機械や産業用ロボット、PFUのエンベデッドコンピュータ事業の顧客は製造装置や試験機が中心であり、国内の産業用コンピュータ/組み込みコンピュータ市場ですみ分けができている状態にあるという。今後は、両社の企画/開発/販売機能を最適化し、商品ラインアップの拡充や新規領域の成長を加速することで資本効率の向上を図りつつ、国内トップシェアのスケールメリットを生かしてさらなるシェア拡大を目指す。
なお、リコーインダストリアルソリューションズとPFUは2024年9月、初の共同開発製品として第13世代インテルCoreプロセッサに対応した組み込み機器用ATXマザーボード「RICOH FB22-L2S」を発売している。リコーインダストリアルソリューションズが開発した組み込み機器用ATXマザーボードに、システムのトラブルを未然に防ぐPFUのハードウェア監視ツール「EmbedWare/SysMon」を導入した製品だ。
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