リコーインダストリアルソリューションズは「第20回 組込みシステム開発技術展(ESEC2017)」に出展し、PLCをハードウェアとして統合した新コンセプトの産業用PC新製品を紹介した。
リコーインダストリアルソリューションズは「第20回 組込みシステム開発技術展(ESEC2017)」(2017年5月10〜12日、東京ビッグサイト)において、PLCと産業用PC(IPC)を一体化した、新コンセプトの産業用PC「RICOH AP-10A」を紹介した。
「RICOH AP-10A」は、1台に2つのプロセッサを搭載することにより、情報処理を行う産業用コントローラーに、リアルタイム制御を行うPLC機能を追加することを実現した新コンセプトの産業用PCである。
産業用コントローラーとPLCの機能をハードウェアとして完全に分離、独立させることにより、産業用PC上でリアルタイムOSとソフトウェアPLCを組み合わせて使う場合に比べて、高い信頼性を実現する。産業用コントローラーのWindowsを再起動する場合でもPLCのリアルタイム制御には影響を与えずに動作を継続できるため、生産ラインなどに組み込んだ場合でも、ダウンタイムを減らすことが可能となり、システム全体の安定性を高められる。デモラインでは産業用フィールドネットワークとしては「EtherCAT」を活用した生産ラインを組んだが、PROFINETやEthernet/IPなどにも対応可能だ。
製造現場では、ドイツのインダストリー4.0などのトレンドにより、自動化に加えて稼働状況の把握やトレーサビリティー管理など、データを活用した生産性向上への対応が加速している。ブース担当者は「当社としては産業用コントローラーの展開はしていたが、フィールドバスまで組み込む形での展開は初めてとなる。PLCと産業用PCの2つの機能を組み込むことで、スマートファクトリー化の動きから期待が高まるエッジコンピューティング的な要素を産業用PC側に担わせ、生産ラインの制御は従来のようにPLC側に担わせるというような使い分けが1台で行える。スペース効率も高く、さまざまな機器やラインに活用することが可能だ」と特徴について述べている。
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