京都マイクロコンピュータが、「EdgeTech+ 2024」において、ソフトウェア開発プラットフォーム「SOLID ver.4.0」を披露。これまでのSOLIDはArmの「Cortex-Aシリーズ」向けだったが、新たにRISC-Vに対応したことを特徴とする。
京都マイクロコンピュータは、「EdgeTech+ 2024」(2024年11月20〜22日、パシフィコ横浜)のTOPPERSプロジェクトブースにおいて、ソフトウェア開発プラットフォーム「SOLID ver.4.0」を披露した。これまでのSOLIDはArmのアプリケーションプロセッサ「Cortex-Aシリーズ」向けだったが、新たにオープンソースのプロセッサコアであるRISC-Vに対応したことを特徴とする。2025年1月に正式リリースする予定だ。
SOLIDはリアルタイムOS(RTOS)とソフトウェア開発環境を一体にして提供するソフトウェア開発プラットフォームである。TOPPERSプロジェクトのITRONベースのRTOSカーネルとともに、CPU抽象化ライブラリやVisual Studioベースの統合開発環境「SOLID-IDE」、デバッガ、コンパイラをはじめとするツールチェーンをセットにしている。
これまでのSOLIDはCortex-Aシリーズ向けでの組み込みソフトウェア開発を主な用途として製品を展開してきたが、今回発表したSOLID ver.4.0から組み込み機器市場での関心や採用傾向が高まっているRISC-Vへの対応に踏み切った。「当社のJTAGデバッガであるPARTNER-Jet2は既にRISC-Vに対応しており、TOPPERSプロジェクトでもRTOSカーネルのRISC-V対応を進めていた。そこで、新規に開発したRISC-V対応のCPU抽象化レイヤとTOPPERSのRTOSカーネルとを組み合わせた『SOLID-OS』やコンパイラを用意し、RISC-V対応のSOLID ver.4.0としてリリースすることを決めた」(京都マイクロコンピュータの説明員)。
なお、SOLID ver.4.0では、SOLID-OSについては64ビット版のRISC-Vコア(RV64)にのみ対応する。ただし、シングルコア/マルチコアの両対応となる。統合開発環境のSOLID-IDEやコンパイラ、デバッガは64ビット/32ビットどちらのRISC-Vコアでも利用可能であり、ベアメタル開発であれば32ビット版RISC-Vコア(RV32)にも適用できる。コンパイラはLLVM/Clang対応で、RISC-Vの拡張仕様にも対応する。要相談となるがオープンソースであるRISC-Vならではの独自命令セットへの対応も可能だという。
32ビット版のSOLID-OSの提供についてはSOLID ver.4.0のリリース後に検討するとしている。
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