京都マイクロコンピュータが、組み込み用開発ツール群とRTOSを統合したソフトウェア開発プラットフォーム「SOLID」を発表。開発準備からデバッグまでを快適にこなせるツールとして訴求する。
京都マイクロコンピュータは2016年6月1日、組み込み用開発ツール群とRTOSを統合したソフトウェア開発プラットフォーム「SOLID」を2017年第一四半期に提供開始すると発表した。RTOSと開発環境を一体化して提供することで、リアルタイム制御が求められる組み込み機器の開発を速やかに行える。
このSOLIDは、ARMプロセッサで動作するRTOSである「SOLID-OS」と、Windows PC上で動作する統合開発環境「SOLID-IDE」から構成される。
SOLID-OSはTOPPERS/ASP3カーネルをもとにメモリ管理機能やローディング対応を施したRTOSで、μITRON 4.0の仕様に準拠する。メモリ管理やローディング機能などの実装により、IDEとOSを連携させた開発の利便性を実現している。
SOLID-IDEはVisual Studio Shellをベースに開発されたIDEであり、エディタやビルダー/デバッガの他、同社製GCCコンパイラ(exeGCC)とLLVM/Clangコンパイラも含まれる。ビルド時の静的解析ツールとしてClangを利用することで、未初期化変数の利用やメモリリークパスの検出が可能であり、また、実行時にはデバッガと連動しての動的解析も可能だ。
対象となるハードウェアはCortex-A9などARMv7アーキテクチャを採用したシステムとされており、評価ボード用のBSPも提供する。このSOLIDについては、同社が2016年4月に設立した新会社「KMG」が環境構築やコンサルティング、製品デバッグ/性能測定などといった導入支援サービスを提供する予定だ。
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