JR貨物は、3カ所の車両所で輪軸組立作業時に不正行為があったことが判明したと発表した。
日本貨物鉄道(JR貨物)は2024年9月10日、3カ所の車両所で輪軸組立作業時に不正行為があったことが判明したと発表した。さらに、同年9月11日に不正行為の有無を確認できていない車両があることが判明し、安全確認のため一時的に全貨物列車の運転見合わせを行った。
今回不正が発覚した車両所は、北海道支社輪西車両所、関東支社川崎車両所、関西支社広島車両所の3カ所だ。
経緯は以下のような流れだ。2024年7月24日に山陽線山口駅構内での貨物列車脱線事故を受けて、輪軸組立作業の確認をしていたところ、社員からの申告により、車輪と大歯車の圧入作業において、圧入力が基準値を超過していた場合、検査結果データを基準値内のデータに差し替えて、検査を終了させていたことが分かった。そこで他の車両所でも社内調査を行ったところ、3カ所で不正が発覚したという。
北海道支社輪西車両所では、圧入作業において圧入力が基準値を超過しているにもかかわらず、検査データを検査記録表に添付し、検査を終了していた。関東支社川崎車両所では、圧入作業において、圧入力が基準値を超過した場合、検査記録表に基準値上限の数値を記入し、作成していた。関西支社広島車両所では、圧入作業において圧入力が基準値を超過した場合、検査結果データを基準値内のデータに差し替えて検査記録表を作成していた。
不正件数は、9月10日に発表されたものから9月12日に追加があり、北海道支社輪西車両所が貨車319両(9月10日発表分に対し10両増)、関東支社川崎車両所が貨車275両(同57両増)、関西支社広島車両所が機関車4両、貨車33両だった。いずれの車両所でも圧入力値が基準値を超過することについては問題がないと認識していたという。
検査結果データが基準値を超過していた輪軸を搭載した車両(機関車4両、貨車627両)は運用を停止し、車軸の検査をあらためて行う。また、今回不正行為を行っていた車両所における輪軸組立作業は、作業体制を再整備するまで作業を停止する。なお、9月11日に不正行為の有無の確認作業のために行った一時的な運転見合わせについては現在解除しており、全列車の運転を再開している。
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