ソディックが新たな金属3Dプリンタ、保守を簡素化し複数粉末運用も1台で可能に金属3Dプリンタ

ソディックは金属粉末の溶融凝固による造形と切削の機能を持つ金属3Dプリンタ「OPM250L+(プラス)」を2024年11月に発売する。

» 2024年08月09日 07時30分 公開
[長沢正博MONOist]

 ソディックは2024年8月6日、金属粉末の溶融凝固による造形と切削の機能を持つ金属3Dプリンタ「OPM250L」をモデルチェンジし、「OPM250L+(プラス)」として同年11月に発売することを発表した。2つのレーザーユニットをオプションで搭載でき、高速造形およびモニタリングによる予知保全、ヒューム処理能力向上によるメンテナンス頻度の大幅削減などを実現した。

金属3Dプリンタ「OPM250L+(プラス)」 金属3Dプリンタ「OPM250L+(プラス)」[クリックで拡大]出所:ソディック

 最大造形サイズは250×250×250mmで、ヘッド移動ストロークは544×260mm、テーブル上下ストロークは250mm。最大積載質量は120kgとなっている。レーザーの最大出力は500W(オプションで500W×2)で主軸の最大回転速度は4万min-1だ。

 同社の金属3Dプリンタ「LPM325S」に搭載している粉末材料の供給、回収、ふるいを自動で行うMRS(Material Recycle System)と同一のユニットを「OPM250L+」でも採用。カートリッジ式MRSの簡単な交換作業で、アルミやチタンなど複数の粉末による運用も1台の設備で短時間に対応できる。このMRSはLPM325Sとの共用も可能だ。

 定期メンテナンスの主目的であるレーザ加工時に発生する金属蒸気の集積物(ヒューム)の除去、清掃用のヒュームコレクタを自社開発。造形室内の解析結果と実証による気流最適化により、稼働中の集積物の回収能力を大幅に向上させ、集積物自体をたまりにくくすることで、従来機に比べメンテナンス頻度を約2分の1に削減した。さらに機械構造自体を最適化し、作業の集約化と簡素化も図っている。

 造形モニタリング機能を搭載しており、造形物の状態や各部の稼働状態を高度なセンシング技術で常時監視する。各データはNC画面でグラフ化し、ロギング、エラー閾値(注意、警告)管理をすることで造形異常の原因となる要因を常時モニタリングし、造形不良を未然に防止する。また、造形状態の履歴を残すことも可能だ。

 オプションの「Material Trial Unit A/B」は、アタッチメントを取り付けるだけで、さまざまな粉末材料の試験造形ができ、30分程度で材料を交換できるだけではなく、少量の材料で試験造形が可能となり試験造形の低コスト化が図れる。

 同じくオプションのグローブボックスでは、不活性ガス環境で金属粉末を投入でき、作業者も金属粉末に暴露することなく運用できる。MRSと接続することで、グローブボックスから直接金属粉末を投入できる。

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