無線技術の活用で製造現場は何が変わるのか、オムロンらが協創プロジェクトスマートファクトリー(2/2 ページ)

» 2024年08月08日 07時30分 公開
[長沢正博MONOist]
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AMRを使った無線技術活用のデモンストレーション

 当日は、記者会見の会場となったネットワンシステムズのイノベーションセンターにおいて、ローカル5GとWi-Fi(Wi-Fi6、5GHz帯)を活用した、AMRの自律走行やPLCタグデータリンク通信のデモンストレーションを披露した。

 AMRにはPLCやローカル5G、Wi-Fiの子機、4Kのネットワークカメラなどが搭載されている。会場にはWi-Fiのアクセスポイントが20個、ローカル5Gの基地局が2個設けられており、ローカル5GおよびWi-Fiによる通信制御でAMRが自律走行できることや、移動するAMRが基地局やアクセスポイントとの間で通信を切り替える際に起こり得るネットワークカメラ映像の乱れなどの影響を確認した。

会場で披露した映像配信のデモンストレーション。左がWi-Fi、右がローカル5Gからの映像[クリックで再生]
会場で披露したPLC間のタグデータリンク通信のデモンストレーション。下がWi-Fi、上がローカル5Gで取得したデータ[クリックで再生]

 Wi-Fi利用時では、ネットワークカメラの解像度を落としているにもかかわらず、映像の乱れが生じたが、ローカル5G利用時では4Kの映像がまったく乱れなかった。

 PLC間のデータ同期を行うタグデータリンク通信を無線空間で実施するデモンストレーションでは、AMR上にあるPLCの子機が1ms周期で0〜1万までのカウントアップを繰り返し、PLCの親機が50ms周期でデータを取得し、モニターで表示した。Wi-Fiではデータの欠損が生じたが、ローカル5Gでは欠損なくデータを取得した。

デモンストレーションに使われたAMR[クリックで拡大]
AMRに搭載された映像配信用のネットワークカメラ(右がWi-Fi用、左がローカル5G用)[クリックで拡大]
PLC、ローカル5GやWi-Fiの子機を搭載して走行[クリックで拡大]

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