宇宙をかけるプリント配線板を作るOTCが鶴岡に銅めっきライン新設、自動化も着々OTCのモノづくり進化(3/3 ページ)

» 2024年06月20日 08時00分 公開
[長沢正博MONOist]
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4台のAMRが工場内を走行、独自設備でAOIの無人化にも挑戦

 ロボットが中間板を移載する場所にもビジョンカメラが設置されている。台車は中間板のサイズごとに決まっており、作業者がロボットから移載される中間板と異なる種類の台車を置くとアラームが出る仕組みになっている。

中間板を装置から排出し、台車に載せるロボット[クリックで拡大]

 グリグリヌリヌリでは、1日に2000枚の中間板が処理できる。導入後、最盛期には10人近くが行っていた樹脂除去作業を自動化できただけでなく、1カ月当たり数十万円の仕損費も削減できたという。

 出来上がったプリント配線板はAOI(自動光学検査装置)で外観検査を行うが、AOIへのプリント配線板の投入と排出などには人手が必要だ。そこで鶴岡事業所ではこの作業の自動化にも挑戦している。

 自作したロボットを使い、プリント配線板のクリーニングからAOIへの投入、反転、再投入、排出までの一連の流れを行う。AOIのすぐ手前まではAMR(自律型搬送ロボット)がプリント配線板を台車に載せて運んでおり、作業者はステーションに届いた台車を移し替え、装置に投入するだけだ。AMRは鶴岡事業所内で現在、4台が稼働している。

 鶴岡事業所では現場の課題を100カ所程度抽出し、大きな効果が見込まれるものから順に自動化、効率化に取り組んでいる。生産量が2割増加しても、現状の人員で対応できるようになることが目標だ。今後も各所で自動化を進化させていく。

2人の作業者がAOIによる検査作業を行っている[クリックで拡大]
マテハンロボットを使って作業の無人化を実現する[クリックで拡大]
工場内をAMRが動き回り搬送作業を担う[クリックで拡大]
AMRはAOIのすぐ手前まで搬送する[クリックで拡大]

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