Beckhoff Automation(ベッコフオートメーション)は「IIFES 2025」において、リニア搬送システム「XTS」を用いて、同一ワークでの異なるピッチ(間隔)の間欠運動を披露した。磁気浮遊型リニア搬送システム「XPlanar」では垂直動作も実現している。
Beckhoff Automation(ベッコフオートメーション、以下ベッコフ)は「IIFES 2025」(2025年11月19〜21日、東京ビッグサイト)において、同社のリニア搬送システム「XTS」を用いて、同一ワークでの異なるピッチ(間隔)の間欠運動を披露した。
これまでベッコフをはじめとする海外メーカーが先行してきたオーバル(楕円)型のリニア搬送システムだが、三菱電機が2025年に販売を開始した他、安川電機もIIFES 2025で参考出展し、2026年の市場投入を目指すなど国内メーカーも追随している。ベッコフ 日本法人 代表取締役社長の川野俊充氏はリニア搬送システムに関して、「単に動かせるだけでなく、それを使ってどんなプロセスを提案できるかが今求められている」と話す。
間欠運動は開始と停止を繰り返す動きを指す。ブースに置かれたXTSの可動子(キャリア)が運ぶプレートには、上側に6mm間隔で径1mmの穴、下側には8mm間隔で径1.4mmの穴があけられている。そしてXTSの隣では、2つのサーボモーターが、それぞれの穴に対応した間隔で並ぶピンを挿す動作を繰り返している。これに対してXTSは片方で6mm間隔、もう片方で8mm間隔という異なるピッチの間欠運動を行うことで、ピンを正確にプレートの穴へ挿すことに成功した。「コネクターを差し込む動作などをイメージしている。同一のワークでも、間欠運動のピッチを変えられるのはXTSならではの技術だ」(川野氏)。
磁気浮遊型リニア搬送システム「XPlanar」では、垂直動作のデモンストレーションを紹介した。通常は平面上で使用される磁気浮遊型リニア搬送システムだが、重力補正をリアルタイムに行うことで垂直や天吊りの状態でも動作が可能になるという。
舞台装置など向けの通信規格であるDMXの信号を制御できるDMXターミナル「EL6851」と小型PLC「CX7000」と組み合わせ、音声入力に合わせて照明を制御するデモなども行った。その他、日本など東アジア向け200V仕様のインバータ「AF1000シリーズ」を参考出展した。サーボドライブ「AX1000シリーズ」、サーボモーター「AM1000シリーズ」などと合わせ、2026年度の市場投入を見込んでいる。
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