レゾナックの2024年12月期第1四半期は増収増益、半導体/電子材料事業がけん引製造マネジメントニュース

レゾナック・ホールディングスは2024年12月期第1四半期の売上高が前年同期比7.5%増の3214億円で営業利益は89億円となり、増収増益となったことを発表した。

» 2024年05月17日 08時30分 公開
[遠藤和宏MONOist]

 レゾナック・ホールディングスは2024年5月15日、オンラインで記者会見を開き、同年12月期第1四半期(1月1日〜3月31日)の決算を発表した。

モビリティーセグメントとイノベーション材料セグメントも好調

 2024年12月期第1四半期の売上高は前年同期比7.5%増の3214億円で営業利益は89億円となった。前年同期の営業利益は96億円の赤字だったため今期は黒字に転換したことになる。同社 取締役 常務執行役員の染宮秀樹氏は「2024年12月期第1四半期決算は前年同期比で増収/増益となった。緩やかではあるが需要の回復は継続している。(当社の財政状態は)固定費の抑制や円安効果もあり年初の予想よりも改善している」と話す。

2024年12月期第1四半期の業績概要 2024年12月期第1四半期の業績概要[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 セグメント別では、半導体/電子材料セグメントの売上高は同40%増の975億円で、営業利益は63億円で増収増益となった。前年同期の営業利益は104億円の赤字だったが当期は黒字に転じた。半導体材料事業は2024年12月期第2四半期からの半導体市況の緩やかな回復により増収となった。デバイスソリューション事業は、HDメディアの売上高がデータセンター向け需要の回復により大幅に増収となり、SiC(シリコンカーバイド)エピタキシャルウェハーの売上高も販売数量の増加で増収を記録した。

半導体/電子材料セグメントのサマリー 半導体/電子材料セグメントのサマリー[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 モビリティーセグメントの売上高は同1%増の526億円で、営業利益は同475%増の17億円となった。自動車部品事業は、自動車生産の回復や新規車種向け製品の立ち上げなどで増収。リチウムイオン電池材料事業は、民生向けの製品では需要減速の影響が継続した一方で、電動車向けの製品で数量が増加し増収となった。なお、2024年12月期第1四半期の期間から、アルミ機能部材事業については、セグメントをイノベーション材料からモビリティに変更している。

モビリティーセグメントのサマリー モビリティーセグメントのサマリー[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 イノベーション材料セグメントの売上高は同8%増の223億円で、営業利益は同101%増の24億円となった。同セグメントでは、原材料価格の高騰を製品販売価格に転嫁したことや販売数量増により増収となった。営業利益は価格転嫁のタイムラグ要因も解消され増益を記録した。

イノベーション材料セグメントのサマリー イノベーション材料セグメントのサマリー[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

 ケミカルセグメントは、石油化学品や化学品、黒鉛電極の事業が不調で売上高は同8.1%減の1168億円となり、営業利益は同83%減の7億円となった。石油化学品事業は、同製品がナフサの価格上昇に伴って販売単価が上昇したものの、誘導品を生産するプラントにおける定期修理の影響で販売数量が減少し減収増益を記録した。化学品事業は、同製品の販売単価の値上げ効果が発現した一方、一部製品で原燃料価格の下落に伴う販売単価と原価の下落が生じ減収増益となりました。黒鉛電極事業は市況低迷の影響を受けた同製品の販売数量の減少と販売単価の下落により減収減益となった。

ケミカルセグメントのサマリー ケミカルセグメントのサマリー[クリックで拡大] 出所:レゾナック・ホールディングス

2024年12月期第1四半期における国内外の経済について

 2024年12月期第1四半期の世界経済は、世界的な金融引き締めに伴う影響や長期化するウクライナと中東地域の情勢によるエネルギーコストおよび原材料コストの高騰など、供給面の制約が続いた。半導体業界については回復がみられた。

 国内経済では、個人消費は持ち直しに足踏みがみられたが、企業の設備投資は持ち直しの動きが見られ、総じて緩やかに回復した。

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