「既存領域における事業の質的強化」では主にACFと表面実装型ヒューズで施策を行う。
ACFに関しては、スマートフォンでの採用拡大が続き、電子機器での導入も増えている有機EL(OLED)ディスプレイやフレキシブルOLEDディスプレイ向けの実装材料として定着しニーズも増加している粒子整列型ACFの増産投資を行う。これにより、2026年に粒子整列型ACFの新ラインを稼働させ、中長期にわたる事業成長を目指す。
また、マイクロLEDディスプレイ向けのACFの開発を加速する他、センサーモジュールを対象に設計自由度が高い形状加工ACFを提供し事業の成長を促す。
表面実装型ヒューズについては、リチウムイオン電池を搭載する機器が増加する中、安全上の理由から当該機器に二次保護回路を搭載する動きが世界的に増えていることを踏まえて展開する。具体的には、こういった世界の動きを追い風に、付加価値が高い大電流製品向け表面実装型ヒューズを、電動工具や電動バイクに展開し、顧客の基盤をグローバルで拡大し事業の成長を図る。
これらの取り組みに加えて高付加価値製品を軸に事業を拡大し既存領域の事業規模を2028年度までに1050億円にすることを目標に掲げている。
「経営基盤の進化」では「営業機能の強化」「人と技術の強化」「製造機能強化」を行う。「営業機能の強化」では、同社のビジネスモデルをさらに強化するために、アジアをはじめとする海外で、デザイン・インとスペック・インの活動を活発化する。戦略的パートナーシップを通じて、ディストリビューション機能の強化や為替変動への対応力の向上、運転資本の圧縮にも取り組む。
「人と技術の強化」では、同社にとって最も重要な経営課題と考えている、技術と人材の強化を通じて技術で差異化を図ることができる企業への進化に継続的に取り組む。フォトニクス事業の領域を中心に研究活動を加速させるとともに、同社グループでジョブ型人事制度を展開し技術を持つ人材とグローバル人材の獲得力、リテンション力の向上を図る。
「製造機能強化」では、今後の日本で生産年齢人口が減少すると考え、栃木県鹿沼市の鹿沼事業所 第2工場(鹿沼第2工場)の隣接地に新設する新棟ではデジタルトランスフォーメーション(DX)化を通じたスマートファクトリーの構築を進め、人的資本の価値を最大化する戦略を推進する。さらに、各拠点で、自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に直面した際の被害を最小限にとどめ重要な業務を続けられるBCP(事業継続計画)機能を強化していく。
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