4〜6階はオフィスエリアで、嵐山渓谷を感じられるダイナミックな吹き抜けで各階がつながっている。吹き抜けから他フロアの様子が目に入るようにデザインされており、人とのつながりを自然に感じることができる。
4階は、固定席エリア、会議室エリア、ABW(Activity Based Working)エリアから成る。固定席エリアでは、全部署の従業員(約120人)がゆとりを持って仕事ができ、部署内外を問わず自然なコミュニケーションをとれるレイアウトを採用している。このエリアは、4面に開口部が設けられており、各所の大きなガラス張りの窓から嵐山町の豊かな自然が見られ、リラックスして働ける。
働く場所を自由に選べるABWエリアでは、個人作業や打ち合わせ、リフレッシュが行えるスペースを用意している。このエリアを活用することで、締め切られた会議室で行っていたチームディスカッションをオープンスペースで行え、社内の自然な情報共有や他チームとの連携を強化できる。
5階はABWエリアと会議室エリアで構成される。5階のABWエリアは、東側が「動」のスペースで、西側が「静」のスペースとなっており、用途によって使い分けられる。動のスペースでは活発なディスカッションが行えるオープンスペースが多数設けられている。静のスペースではインテリアの色彩が暗く集中して働ける空間を多数用意している。
6階は、会議室エリアやABWエリア、「VIP.LOUNGE & VIP.MEETING ROOM」、Hallで構成される。6階のABWエリアは主に顧客と協働する用途で使われる。このエリアには、少人数で落ち着いて打ち合わせが行える空間や10人以上でのプレゼンテーションに対応するスペースが配置されている。
VIP.LOUNGE & VIP.MEETING ROOMは高級感のあるラウンジと会議室から成り、特別な来客を迎える会議室には左官職人の久住有生氏が手掛けた左官壁や香川県産の庵治石(あじいし)を用いたテーブルが設置されている。
Hallは、区切りのない広い空間で場面に合わせたレイアウト変更に対応する他、大人数での記者発表会やパネルディスカッションの会場として使える。平常時はABWエリアの1つとして機能し、個人作業や打ち合わせ、昼食の場としても利用できる。
低層のラボエリアの側壁部には、空調用のダクトなどを3階の屋上にある設備とつなげるためのメカニカルバルコニーが設けられている。これにより、ラボエリアの特定の部屋を改修する際に対象の部屋とそのメカニカルバルコニーで施工でき、周囲の部屋やフロアへの影響を少なくしている。
高層のオフィスエリアでは、室内への日射を自動制御するブラインドや必要に応じて照明をコントロールする高精度人検知センサーが採用されている。同エリアの窓ガラスにはアルゴン入り高断熱遮熱Low-Eペアガラスを使用。4階の固定席エリアにおける採光は自然採光シミュレーションで検証して設計されている。
これらの取り組みにより、InnoValleyでは、建物で消費するエネルギー量を建築物省エネ法で定める基準値に対し50%以上削減した建物を示す「ZEB Ready」を達成した。省エネ性や環境負荷が少ない資機材が使用されている点、室内の快適性などが総合的に評価され、建築環境総合性能評価システム「CASBEE」でSランクも取得している。
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