三井化学は、市原工場(千葉県市原市)のフェノールプラントを遅くとも2026年度までに停止することを決定したと発表した。
三井化学は2024年4月4日、市原工場(千葉県市原市)のフェノールプラントを遅くとも2026年度までに停止することを決定したと発表した。
三井化学グループのフェノール事業を含むベーシック&グリーン・マテリアルズ(B&GM)事業の領域については、競争力がある誘導品を中核としたサステナブルなグリーンケミカル事業に変革することを目指している。
加えて、需要に応じた最適なクラッカー(ナフサを分解する装置)の運用体制を構築するために、誘導品の競争力を確保する必要があり、同社グループは2008年のリーマンショック後の早い段階からB&GM事業領域の再構築を進めてきた。現在、その実現に向けた再構築をさらに加速させており、今回の取り組みはその一環となる。
同社のフェノール生産は、千葉県市原市、大阪府高石市、中国上海市の3拠点で展開しており、市原工場では1970年にフェノールの生産を開始し、主要誘導品であるビスフェノールAやフェノール樹脂の需要伸張とともに事業を拡大してきた。
しかし2022年以降、中国を中心としたアジアでの新設備稼働に伴う大幅な供給過多や国内需要の縮小など、事業環境が厳しくなる中、生き残りをかけてあらゆる合理化に取り組んできたが、市原工場での生産を維持するための収益確保が困難と判断した。
また、厳しい事業環境が継続していることを踏まえて回収の可能性を検討した結果、当該事業の固定資産の減損損失を、その他の営業費用に計上した。当該減損損失については、2024年2月7日に公表した2024年3月期(2023年4月1日〜2024年3月31日)の連結業績予想に織り込んでいる。
なお、市原工場のフェノールプラントは停止するが、今後も安定した製品供給を継続するために、資本効率性が高く、安定収益を上げることができるフェノールチェーン形成を目指していく。
停止する市原工場のフェノールプラントに関して、対象製品はフェノール、アセトン、α-メチルスチレンで、生産能力は年間19万トン。
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