日系乗用車メーカーの生産台数ランキングに大きな変動、3位がスズキ自動車メーカー生産動向(3/3 ページ)

» 2024年03月28日 06時00分 公開
[MONOist]
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マツダ

 小差で三菱自に及ばなかったのがマツダだ。1月のグローバル生産台数は、前年同月比7.3%減の9万1010台と5カ月ぶりに減少した。国内生産を停止したダイハツを除くと唯一の前年割れだった。主力の国内生産が同18.1%減の5万3665台と大幅に減少したことが響いた。5カ月ぶりのマイナスだった。半導体不足の解消は進んだものの、「CX-8」などSUVモデルの生産切り替えを実施したことが要因だ。車種別では主力の「CX-5」は同4.5%増だったが、「マツダ3」は同15.1%減と低迷した。輸出も同16.8%減と伸び悩んだ。

 国内が落ち込んだ一方で海外生産は好調だ。前年同月比14.3%増の3万7345台と7カ月連続で前年実績を上回った。中国は、2023年4月に一汽乗用車への生産委託を終了したが、新型車「CX-50」の純増で伸長。米国工場も2直化により大幅な伸びを見せた。

スバル

 スバルの1月のグローバル生産台数は、前年同月比50.7%増の7万5713台と12カ月連続で増加した。8社で最も高い伸びを見せた。前年1月が半導体不足の影響で低水準だった反動が表れた。主要拠点の国内生産は同47.7%増の4万5027台と2カ月ぶりに増加した。輸出も同8.5%増と3カ月ぶりにプラスへ転じた。唯一の海外拠点である米国生産はさらなる伸びを見せ、同55.2%増の3万686台と12カ月連続で増加した。

ダイハツ

 8社の中で最下位だったのがダイハツだ。1月のグローバル生産台数は、前年同月比49.8%減の7万708台と半減。5カ月連続で減少した。国内は認証不正問題により全ての拠点で生産を停止したため0台だった。海外生産は世界生産と同じく7万708台で、同5.6%減と3カ月連続のマイナスだった。マレーシアは同35.3%増と大幅に伸びたものの、インドネシアが好調だった前年の反動などにより同25.5%減と低迷した。

 2023年12月26日から全ての国内工場で生産を止めているダイハツだが、稼働再開の動きが出始めた。2024年2月12日から京都工場(京都府大山崎町)でトヨタの受託生産車「プロボックス」と、マツダ「ファミリアバン」、同月26日からはダイハツ九州大分工場(大分県中津市)で「ミライース」「ハイゼットカーゴ」など10車種の生産を再開した。3月には18日から滋賀工場(滋賀県竜王町)で生産する「ロッキー」およびOEM(相手先ブランドによる生産)車のトヨタ「ライズ」のガソリンモデルと、スバル「レックス」を再開。さらに同じく滋賀工場では4月10日から主力の軽自動車「タント」とOEM車のスバル「シフォン」の生産を再開する予定だ。

 また、「トール」とOEM車のトヨタ「ルーミー」、スバル「ジャスティ」についても、国土交通省から出荷停止指示が解除されており、生産再開の時期を調整している。徐々に主力車種の生産が始まり回復が見込まれる一方で、認証不正に伴う新型車の投入への影響や、ブランド毀損(きそん)による販売不振なども懸念されており、2024年のダイハツの生産は厳しい状況が続くことも予想される。

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