日系乗用車メーカーの生産台数ランキングに大きな変動、3位がスズキ自動車メーカー生産動向(2/3 ページ)

» 2024年03月28日 06時00分 公開
[MONOist]

ホンダ

 ホンダの1月のグローバル生産台数は、前年同月比20.1%増の33万7119台と5カ月連続のプラスだった。半導体の供給改善の効果が表れた。このうち海外生産は、同20.2%増の28万650台で、5カ月連続で増加した。けん引したのが北米で、販売増と半導体の供給改善が重なり同27.0%増と13カ月連続のプラスと好調を維持している。加えて中国も半導体供給の改善や春節による稼働日の影響もあり同19.7%増と3カ月連続のプラス。アジアトータルでも同14.7%増と3カ月連続で増加した。

 国内生産も堅調だ。前年同月比19.7%増の5万6469台と6カ月連続で前年実績を上回った。このため輸出も同36.4%増と好調で4カ月連続のプラスだった。国内販売では、2023年10月に新型を投入した量販車種の「N-BOX」が2024年2月の国内車名別販売ランキングでも首位を維持したが、同15.8%減と台数を落としている。ただ、半導体の供給改善効果で納期の短縮が進んでおり、「ヴェゼル」は同71.9%増、「ステップワゴン」も同104.8%増と大幅増を記録するなど販売台数にも表れている。

スズキ

 ホンダに次ぐ3位につけたのがスズキだ。1月のグローバル生産は、前年同月比2.6%増の30万3133台と3カ月ぶりのプラスだった。好調だった2023年1月を上回る実績だ。要因は世界生産の3分の2を占めるインドが同10.1%増と3カ月ぶりに増加したこと。インドは単月生産として全ての月を通して過去最高を更新した。一方、パキスタンなどインド以外の海外生産は同27.1%減と11カ月連続で減少するなど低迷している。それでも海外生産合計は同5.4%増の22万4695台と3カ月ぶりにプラスへ転じた。

 一方、国内生産は、前年同月比4.5%減の7万8438台と11カ月ぶりに前年割れとなった。前年実績が高水準だった反動が出ているとみられる。国内販売は、最量販車種の「スペーシア」が2023年11月にフルモデルチェンジし、主力モデルの「スイフト」も同年12月に新型を投入するなど増販が期待できる環境がそろっており、実際に2024年2月の新車販売台数でもスペーシアは同53.9%増、スイフトが同34.4%増と好調で、今後の販売増が予想される。輸出は同6.7%減と5カ月ぶりのマイナスだった。

日産自動車

 スズキに次ぐ4位となった日産自動車の1月のグローバル生産は、前年同月比22.4%増の27万4462台と4カ月連続のプラス。ただ、前年が中国で大きく落ち込んだことに対する反動が表れた結果で、実績としてはコロナ禍前の2020年1月比で24.4%減という水準だ。このうち国内生産は、同22.8%増の5万4546台と21カ月連続のプラス。「エクストレイル」や「セレナ」といった国内市場向け新型車が好調な他、輸出も同14.6%増とプラスを維持している。

 海外生産は、前年同月比22.3%増の21万9916台と4カ月連続で前年実績を上回った。中でも中国は、前年に主力車種のエクストレイルが伸び悩んだことや、春節による稼働日の影響などがあり、同126.8%増と倍増し3カ月連続のプラス。北米は、米国が寒波の影響で稼働を停止したため同11.6%減と4カ月ぶりに減少へ転じた。メキシコは同25.0%増と伸長し、14カ月連続で増加した。英国も同10.5%増と好調が続いている。

三菱自動車

 日産に次ぐ5位と大幅にジャンプアップしたのが三菱自だ。1月のグローバル生産台数は、前年同月比7.2%増の9万1028台と2カ月ぶりのプラスだった。6位のマツダを18台差で上回った。けん引役は国内生産で、同11.9%増の4万3286台と2カ月ぶりの増加。新型車「デリカミニ」が高い人気を集めており、国内販売の4割超を占めるなど国内生産全体を押し上げている。ただ、ボリュームが期待された日産向けOEMの軽自動車EV「サクラ」は、新型車効果の一巡により大きく台数を落としている。輸出も同20.0%減と2カ月ぶりに減少した。

 海外生産も回復しており、前年同月比3.3%増の4万7742台と8カ月ぶりにプラスへ転じた。主要地域の東南アジアは、最大拠点を構えるタイが同4.3%増とプラスを維持した他、インドネシアも同2.7%増と増加に転じるなど堅調に推移している。2023年4月から生産を停止し、車両生産や販売から撤退すると発表した中国の落ち込みをカバーした結果、アジアトータルでも同2.4%増と増加した。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.