大阪大学とマンダムは、特定の口腔細菌が共生するだけで、強い臭気を発する口臭原因物質であるメチルメルカプタンの産生量が増加する「口臭増強機構」を発見し、そのメカニズムを解明した。
大阪大学は2024年2月14日、特定の口腔細菌が共生するだけで、強い臭気を発する口臭原因物質のメチルメルカプタンの産生量が増加する「口臭増強機構」を発見し、そのメカニズムを解明したと発表した。マンダムとの共同研究による成果だ。
メチルメルカプタンは、口臭原因物質の中でも、特に強い臭気を発する。今回、研究グループは、2菌種を接触させることなく研究条件下で共培養できる培養法を構築し、メチルメルカプタンの産生と口腔細菌間の相互作用の影響を検討した。
その結果、主要な口腔細菌であり歯周病の原因にもなっているFn菌(Fusobacterium nucleatum)がメチルメルカプタンの産生に大きく関与していることを明らかにした。また、Sg菌(Streptococcus gordonii)と同一環境下で共生させたFn菌は、メチルメルカプタンの産生量が約3倍増加することが分かった。
Fn菌のメチルメルカプタン産生量増加は、Sg菌が分泌したオルニチンを取り込んだFn菌体内でメチオニン代謝経路が活性化することによりもたらされる。
メチルメルカプタンは微量でも臭気を発し、口臭や歯周炎と強く関連している。今回新たに発見された口臭増強機構が、効果的な口臭予防や治療法開発に応用されることが期待される。
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